小平市

小平市の家庭ごみ有料化と有料ゴミ袋代削減について

投稿日:2019年5月6日 更新日:

小平市も家庭ごみが有料化されました。

東京都小平市に引っ越して17年ほど経過しましたが、ごみ処理に関しても無料回収が続いていましたが、2019年4月から有料化されて、2019年5月現在、武蔵村山市以外の東京都の多摩地区の市が、家庭ごみ有料化となりました。

ゴミ収集処理を市税負担での無償行政サービスとせずに、市民に有料ゴミ袋を購入させることで、従量制とすることにどんなメリットがあるのか調べてみました。有料化することでごみの量を削減することが出来るというメリットがあります。小平市発行の 小平市家庭ごみ有料化及び戸別収集への移行 実施計画 (2018年3月)のP16に既に有料化に踏み切った他市の収集ごみ・資源量の年度別統計がまとまっており、この説明には納得しました。

小平市家庭ごみ有料化及び戸別収集への移行 実施計画 (2018年3月)のP16

有料化に踏み切った全市において、毎年確実にゴミが減少しています。ゴミを削減しようという意識が働いて、なるべくゴミを出さないような買い物をするなど工夫するようになるのでしょう。

有料ゴミ袋代は妥当性について

収集ゴミ袋の価格は妥当なのでしょうか?

  • 燃やすごみ(黄色) 大袋40L相当1枚 80円
  • 燃やさないごみ(乳白色)大袋  40L相当 1枚 80円
  • プラスティック製容器包装(青色)40L相当1枚 40円

小平市家庭ごみ有料化及び戸別収集への移行 実施計画 (2018年3月)のP22 に記載があり、燃やすごみに関しては40L で1枚あたりで 、小金井市、狛江市、府中市、国分寺市、立川市、東大和市、東久留米市、国立市などが、80円、西東京市、多摩市が 60円、三鷹市が75円、町田市が64円となっています。容器包装プラスティックに関しては40Lで1枚あたり、小金井市、東大和市が80円、府中市、国立市、東久留米市が40円、町田市が32円、西東京市が20円、狛江市は燃えるゴミとして回収、三鷹市、立川市、国分寺市は無料となっています。

燃やすごみに関しては、ほぼ横並び、容器包装プラスティックに関しては、ばらつきがありますが、ごみ非常事態宣言を継続している小金井市は高いです。小平市は市民に「他市と比較して、、、」と説明がつきやすい平均的な価格の40円を設定したのでしょう。有料ゴミ袋の価格については、今後実態に合わせて精査する必要があります。

なお、ごみ収集袋の販売による収入は、 小平市家庭ごみ有料化及び戸別収集への移行 実施計画 (2018年3月)のP22 では1世帯あたり月額466円とあるので、約9万世帯ある小平市では、5億以上の収入が見込まれるはずですが、P26の試算によると、約4億1千万円となっています。この収入を、特定財源として、家庭ごみ有料化及び戸別収集に伴う経費や3Rの推進施策に活用するとしております。支出は、以下の通り。

  • 指定袋等の作成・管理等 1億8,000万円
  • 指定袋等の販売手数料 3,600万円
  • ごみ・資源の収集運搬(戸別収集の実施による増加分) 2億700万円
  • 支出合計 4億2,300万円

要は、見込んでいる収入より支出の方が少し多いくらいで、価格設定は妥当と言いたいのだと思われます。 小平市の資源をのぞく可燃ごみ・不燃ごみの処理は、小平市一般廃棄物処理基本計画(改定)2018年3月によれば、2016年は21億円の予算をかけており、2019年度一般予算のP14によれば、戸別収集を行うため約26億円予算をとっています。燃やすゴミは、中島町にある小平・武蔵村山・大和衛生組合の処理施設で焼却されて、最終的には東京都日の出町にある東京たま広域資源循環組合 二ツ塚廃棄物広域処分場でエコセメント化されますが、いろいろ課題が指摘されています。改めて別の機会に書きたいと思います。戸別収集にともなう費用と、有料ゴミ袋の収益の関係をまとめると以下となります。

なお、減免措置として、生活保護世帯、中国残留邦人等、児童福祉手当法の扶養手当の支給をうける世帯、遺族基礎年金を受ける世帯、身体障害者(1級または2級)の世帯などは、市からゴミ袋が支給される制度があります。また、燃やすごみについては、子育て世代への配慮から紙おむつと、地域のボランティア清掃のごみ、枝木、落ち葉などは、有料ごみ袋に入れずに収集してもらえるようになっています。

収集方式は?

これまでのステーション方式(共同集積所) から、戸別配収に変わりました。ステーション方式だとルールを守らない市民を特定できないという問題が起こるのでこれは妥当だと思います。しかし、集合住宅はこれまで通りステーション方式です。私の住むマンションでも、集積所が通りに面しているため、有料指定の袋に入れられていないゴミが捨てられる問題が起きています。同様の問題は集合住宅で起きていると思われなんらか対応を考えていく必要があります。

有料ゴミ袋代が削減できる食物資源循環事業について

いよいよ本題です。ごみ有料化が始まって、我が家も当然、ゴミ袋を購入していますが、2019年4月の1か月の実績は、燃やすごみ:20L1枚、40L1枚、燃やさないごみ:0、プラスチック容器は40L1枚と、この1か月で使用した有料ゴミ袋は、40円+80円+40円=160円と、小平市の世帯当たりの想定の466円の約1/3程度に収まりました。家族が2名と少ないこともあるのですが、取り組んでいるのは、小平市の食物資源循環事業に参加していることが大きいです。

食物資源とは、生ごみのことで、小平市は生ごみ回収を、3世帯以上のグループで集積場を決めれば、無償で回収して、たい肥化して農家に販売したり、生ごみを提供した市民に堆肥を提供するプロジェクトです。

小平市燃えるごみ組成分析調査報告書(2017年1月)によれば、燃えるごみのうち、45.5%が生ゴミだそうです。

生ごみの組成(小平市調査)

燃やすごみのうち45%が生ごみというのは、自分の感覚ともあっています。生ごみを除く燃やすごみは匂わないので40L袋がいっぱいになるまで、自宅で保管していても問題ありません。

食物資源回収事業は、小平市内で、3世帯以上が集まり 1か所の集積できる場所があれば申し込むことが出来ます。申し込みすると、無償で生ごみ用の専用バケツが提供されます。生ごみバケツの中には、燃やすごみの有料ビニールではなく、一般のポリエステルのビニールを入れて、週に1回、指定の曜日(東側が火曜日、西側は水曜日)の朝8:00までに集積所に出せば、生ごみを無償で回収してくれます。なお、生ごみには、コーヒーのフィルターや、Tパックの袋、花など、人間の口に入らないものは入れることは出来ません。また貝殻や、クルミの皮など硬いものも含めてはいけないことになっています。

生ごみは、小平市が支給する専用バケツに入れて1週間分ためます。ベランダにおいています。
5世帯が参加、集合住宅の場合は収集ステーションに指定曜日朝8:00までに出す

2016年度小平市一般会計決算付属書類によれば、2010年から参加世帯を毎年200世帯ほど増やしており、2017年3月月現在で、979世帯となっております。なお、小平市の 食物資源循環モデル事業実施報告書(2017年2月) のP6よれば、堆肥化の設備の容量として2000世帯まで拡大可能と記載されております。ごみ収集有料化に伴い、ごみを削減したいという人は増えていると思われるので、仲間は集めやすくなっているかもしれません。

同報告書によれば、生ごみ収集は小平市内の家庭廃棄物を収集している7つの業者で構成されている小平市清掃事業協同組合に委託して、立川にある高根商事の瑞穂町の工場で剪定枝チップと混ぜて生ごみのたい肥化を行っています。堆肥は1kg2円で主に農家に販売されているほか、生ごみを提供している市民にも堆肥として年に2回分配してもらえます。

食物資源循環モデル事業実施報告書(2017年2月)のP16回収サイクル

食物資源循環事業の費用

生ごみ収集・処理にかかったコストは、2015年は10,785,000円で、kgあたりに計算すると処理費183円と、可燃ごみ・不燃ごみの55.4円/kgと比較して高いです。数字だけ比較すると税金の無駄使いに見えます。同報告書によれば、「市内全域への拡大の可能性を検証することを第一の目的としてきたものであり、今後は、資源循環の仕組みを 計画・実施し、資源循環型社会の実現を目指すことを最終的な目的」としています。とくに収集費用を下げることを考えないと本格的な導入は難しいでしょう。

小平市のごみ(可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみ(資源のぞく)収集処理費と、生ごみ収集処理費

食物資源循環事業以外にも、コンポストなどで、米ぬかを使って自分で堆肥化することは出来ます。収集・処理コストもかからないため理想的です。以前、市民農園を借りていたころは私もやっていたことがあるのですが、虫がわいてしまう問題や、処理しきれない問題がありました。

なお、国分寺市、西東京市、武蔵村山市、東村山市、立川市、日野市、府中市、東大和市、小金井市などが食物資源循環事業と類似の事業を行っているようです。

プラスティック製容器の有料ゴミ袋を削減する方法

プラスティック製容器包装についても、有償ゴミ袋を削減する方法もあります。それは、市内スーパーマーケットの取り組んでいる拠点回収を利用することです。拠点回収のスーパーマーケットまで持って行かないといけないので面倒ではありますが、以下のプラスチック製容器は、40L、40円の有料の プラスティック製容器包装の袋に入れて回収なのですが、拠点回収を使うと、 無償で回収してくれるので、有料ゴミ袋の使用量を削減できます。

  • 白色トレイ
  • 色付きトレイ
  • プラスティックトレイ
  • 牛乳パック

食品トレイは肉や魚やお惣菜などを購入する際についてくるため家庭でのプラスティック容器ゴミとしては占める割合は大きいのでないでしょうか?拠点回収のスーパーにあれば利用したほうがお得です。

まとめ

  • 小平市のゴミ有料化は、2019年4月から開始。燃やすごみ、燃やさないごみは 40Lで80円 、プラスティック製容器包装用ゴミ袋は、40Lで40円の袋を購入して戸別収集が開始されました。
  • 小平市の食物資源循環プロジェクトに3世帯以上で参加することで、燃やすごみを削減、食品トレイを拠点回収を行っているスーパーマーケットに持って行くことで、 プラスティック製容器包装用ゴミを削減できます。

以上(2019/5/10)

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    小平市在住の50代男性のkamihooです。40歳から本格的にフルマラソンの大会に参加し始めて、2017年11月に48歳で大田原マラソンでサブスリーを達成しました。自己ベストは2020年1月の勝田全国マラソンの2時間54分37秒です。「ジョグのねっとわーく」でランニング日記をkamihooのアカウントで公開しています。https://jogno.net/

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