小平市 政治・社会

小平市議会、2020年8月3日の新型コロナウイルス対策補正予算審議について

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2020年10月現在、新型コロナウイルスは少し落ち着いてきました。これから冬に向かっていくので、寒くなり重篤化する割合は再び増えると予想しています。再びパンデミックにならないように祈るばかりです。一方、経済に与える影響も甚大です。これから本格的に失業率が上がっていきます。日本だけでなく、世界中が無制限金融緩和をしており、今後の増税なども気にしています。

これまでの常識が大きく変わりました。この半年間でFace2Faceの話し合いが大事という考え方から、オンライン化が推奨されるようにあり、仕事でもプライベートでもオンライン化が普通になりました。

小中学校の教育はオンライン化は難しいですが、今後に備えて準備しなければいけないし慣れていくための練習も必要でしょう。国が推進しているGIGAスクール構想が期待されます。子供たちの遊びの機会はオンラインだけでは、機会が制限されてなんとも不自由です。もう一度、外出制限などになったらどうなるのか、教育体制が崩壊することは日本の将来が崩壊することです。小学校中学校の教育は、市長村にゆだねられており、市の取り組みがとても重要になってきます。

市内の外食産業、飲食店は大きな打撃を受けています。外食に対する警戒感が高まり、内食が増えて食品を扱うスーパーマーケット、薬局、食品店などは売り上げが増えていると思われます。外食産業は、緊急事態宣言解除後も、席の間隔をあけて開店するなど制限を維持しています。被害は今も続いています。

そのほか市内の産業への影響は、目に見えたものはなかなかわかりませんが、民間の投資は先送りになり仕事は減少している印象です。小平市の来年以降の税収は間違いなく減少するでしょう。

定額給付金一人10万円配布後は、国は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金として自治体へ対策を委ねるべく予算を確保しました。小平市も2号、3号、4号の補正予算をつくって、小平市議会が行われて予算化されています。

8月3日の4号補正予算では、市庁舎や健康センターのエレベータ改修などに使われており、新型コロナ対策として相応しくない予算も含まれており、有効に使われたとは言えません。政和会(自民系)からは、予算組み替え動議が出されましたが、9:17で否決されました。

今回は8月3日の臨時市議会の様子の公開映像補正予算を見て、市議会会派のインタビューも行いブログにまとめることにしました。

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について

新型コロナウイルス対策で、日本政府は、一人10万円の定額給付金を行いました。続いて、 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金として、7月末の第一次補正で1兆円、9月末に第二次補正で2兆円を、地方自治体向けに予算化しています。

予算の使い方は、地方自治体の自由度が高い形で地方創生臨時交付金の活用が可能な事業(例)として、公開されています。

大きな枠組みとしては、以下の2点としています。

  • 家賃支援等を含む事業継続や雇用維持等に関する事業
  • 「新しい様式」を踏まえた地域経済の活性化等に関する事例

「国の施策ではカバーし切れない、地域の実情に応じた取組の財源に充てていただくためのものであり、国の施策と組み合わせながら有効活⽤してください各⾃治体の判断により、地域の実情に応じて必要な取組を⾏ってください。」という記述もあり、自由度の高い補助金でした。

小平市の使用用途はどうだったか、市議会のチェック機能は働いたのか、見ていきます。

小平市の補正予算の使用用途と政和会の組み換え予算の動議

国の補助金について、小平市に割り当てられた予算について、5月19日に2号補正予算、6月26日に3号補正予算として市議会に提出されて審議されています。さらに、8月3日に4号補正予算として市議会に提出されて審議されています。

表1 小平市2号補正予算(2020/5/19) 約9億3千万円の使用用途(主たるもの、国、都の予算が大部分、一部市の予算)

用途金額
(千円)
生活困窮者自立支援事業 住居確保給付金の増53,046
障がい事業所等業務継続支援事業の皆増11,000
介護事業所業務継続支援事業の皆増40,000
子育て世帯への臨時特別給付金事業の実施による皆増228,410*1
新型コロナウイルス感染症対策としての育児パッケージの拡充による増23,030
中小企業等支援給付金事業 家賃支援給付金の実施による皆増500,000*2
家庭学習通信環境整備支援事業の実施による皆増19,500
小中学校給食運営事業における給食補償費の皆増56,494
合計931,480
*1) 児童一人あたり1万円
*2) 4月、5月、1事業者最大30万円(15万円x2か月、国の持続化給付金の対象外であること。前年度比20%から50%未満減少の中小個人事業者が対象)

表2 小平市3号補正予算 約2億4千万円の使用用途(主たるもの、国、都の予算)

用途金額
(千円)
ひとり親世帯臨時特別給付金の支給156,368
新型コロナウイルス感染拡大防止
のための衛生用品や備品等購入の補助など
88,054
PCR検査センターの設置にかかる補助1,899
市内飲食店等支援事業への補助
モリモリ食べてモリ上げよう(小平観光まちづくり協会)
5,013
小平市事業者感染防止徹底協力金の支給150, 674
中小企業等 家賃支援給付金 事業の減額▲157,586
合計244,422

表1の2号補正では、約50%が市内の中小事業者の家賃支援給付金が割り当てられております。その他は、市の福祉事業に必要な補助であり、小中学校に行けなくなった子供たちの教育負担が増した世帯への補助金など割り当てられており問題ないように思えます。市議会でも全会一致で議決されました。

中小企業等の家賃支援給付金は、4月、5月の2か月だけで、中小企業昨対比の売り上げが、20%減から50%未満の減少した事業者が対象となっておりますが、国、都の持続化給付金の対象とかぶらないようにするためのようです。

しかし、この予算が第3号補正では、1億5千7百万円ほど、第4号補正では、2億5千百万円、合計4億8百万円ほど余ってしまい、実際には、1億円弱、8月3日の総務委員会では実際には3千数百万円しか使われていないことがわかっています。3千万円として計算すると、4,5月で最大の30万円の申請額で計算すると、100件程度しか利用されていないことがわかります。つまり、小平市が実態の把握をせずに5億円も予算取りしたことがわかります。現在、事業者向けに小平市は売り上げの減少についてアンケートしているようです。

表2の3号補正は、ひとり親への給付金や、感染防止補助金、小平観光まちづくり協会の「モリモリ食べてモリ上げよう」という市内飲食店での消費喚起のための予算に使われており、こちらも全会一致で可決しています。

続いて紛糾した2020年8月3日の4号補正を表3にまとめています。市議会でも議論になりましたが、政和会(自民系)から予算の組み替え動議が出されました。表3にある約10億円の用途が話題になりました。

表3 小平市4号補正予算 約10億円の国の予算の使用用途(黄色のマーカーが政和会から予算を地域振興券への組み換え動議がだされた予算)

密回避、非接触・ICT 活用によるサービス提供等
への予算内訳
分類
*1
金額
(予算)*2
1公共施設予約システム利用対象施設拡大(地域センター、ルネこだいらを追加し再構築)48,672
2オンラインによる保健指導(妊婦面談)61
3小学校移動教室における3密対策H7,797
4中学校移動教室における3密対策H5,600
5証明書コンビニ交付に向けたシステム構築33,871
6都市計画、建築行政、道路管理 情報提供システム構築14,058
7ルネこだいらの入口の自動ドア化H9,052
8地域センターのトイレ手洗い自動水栓化H7,008
9元気村おがわ東トイレ手洗い自動水栓化H1,960
10障害者福祉施設(あおぞら) トイレ手洗い自動水栓化H2,097
11WEB 会議システムの活用144
GIGAスクール構想整備推進
1小学校GIGA スクール構想推進(ネットワーク構築、電源キャビネット、端末整備)H135,437
2中学校GIGA スクール構想推進(ネットワーク構築、電源キャビネット、端末整備)H65,615
換気設備の改善・感染拡大対策等
1ルネこだいら空調設備改修H48,756
2地域センター換気対策等H11,715
3小平元気村おがわ東空調設備改修H2,374
4障害者福祉施設(たいよう、あおぞら)感染症対策H7,052
5幼稚園、保育園(公立含む)等の感染症対策H1,440
6健康センター感染症対策H1,144
7健康センターエレベーター改修H56,937
8リサイクルセンター感染症対策H363
9公民館感染症対策H3,830
10図書館感染症対策H3,991
11中央体育館屋内プール更衣室の換気扇改修H699
12本庁舎エレベーター改修(正面1 号機、通用口4 号機)H121,522
13本庁舎網戸設置H1,298
14本庁舎空調設備改修H1,122
その他感染予防対策等
1庁舎用非接触型体温計(5 台)H55
2小学校給食調理室へのスポットクーラー設置H2,759
3中学校給食センターへのスポットクーラー設置H218
4収集車両への拡声用音響装置の設置H3,416
5行政防災無線・非常用可搬型親局装置購入H7,590
6災害時備蓄品等の拡充購入H46,663
事業者への経営支援等
1キャッシュレス購入へのポイント付与(市内店舗等で30%ポイント還元)2号補正の中小企業等 家賃支援給付金 事業削減の組み替え258,922
2第2 弾「モリモリ食べてモリあげよう」(こだいら観光まちづくり協会事業)5,819
3小口資金融資斡旋システム導入5,853
4臨時休園により利用者負担額を軽減した認証保育所等に対する補助8,321
5公共交通(コミュニティバス)への運行支援27,093
6公共交通(コミュニティタクシー)への運行支援30,054
7市民総合体育館指定管理者への支援16,362
8多摩六都科学館事業継続支援11,819
9公立昭和病院特別財政支援179,695
10市内清掃事業者への支援(衛生用品等の配付)1,480
11「ルネこだいら」のホームページリニューアル4,798
人に対する支援策
1障害者施設事業所従事者特別支援金(3施設22 人に対して一人5 万円)1,100
2育児パッケージ追加配付6,293
3児童養護施設等退所者支援金(市内在住30 歳未満の退所者へ一人10 万円)10,003
4高齢者向け自動通話録音機の追加(200台)H583
52号補正の中小企業等 家賃支援給付金 事業の減額▲251,709
補正予算合計1,003,030
(うちハードウエアへの投資)590,934
*1 Hとしたものがハードウエアへの投資とみなせるもの
*2事業費総額ではありません。他の特定財源、一般財源が充当された事業もありますが、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の割り当て金額のみ表にしています。また、臨時給付金が割り当てられていない事業については割愛しています。詳しくは、こちらの令和2年度一般会計補正予算(4号)の概要を参照ください。

この予算は、本当にコロナ対策のための予算なのか?疑問を持たざるを得ません。国の補助金の約10億円のうち、5億9千万円がハード予算となっています。しかも、市庁舎のエレベータと健康センサーのエレベータの改修に1億6700万円を投じています。この二つについては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能な事業(例)には当てはまらないのですが、市はエレベータの空調設備も入れてコロナ対策として予算計上しています。

エレベータの空調ですが、エレベータ内で会話しなければ飛沫感染のリスクもほぼないわけでモラルで対応できる内容です。1基あたり5000万円以上の金額で改修する意味を感じません。マンションのエレベータのリニューアルでは、1基あたり1000-1500万円程度です。あまりに予算が大きいのも気になります。市議会で多くの市議が指摘している通り、一般会計予算の期初予算で実施すべき内容です。

景気対策については市内の事業者への支援事業は、家賃支援で使い切れなかった約2.5億円のキャッシュレス購入のポイント還元(消費拡大策で消費者にポイントは還元されるので、消費が拡大して事業者の売上アップにつながるという狙い)と、こだいら観光まちづくり協会の「モリモリ食べてモリあげよう」の第二弾(こだいら観光まちづくり協会事業)という、市内で購入した領収書で市内のお店で使える食事券があたるという内容の約580万円のみになっています。

キャッシュレス購入のポイント還元は、10月と12月がauPayと11月と1月がPayPayと交互に4か月、一人当たり上限10,000/月、1回1000ポイントまで、最大30%ということで、わかりづらいものになっています。

一方、行政関連事業への補助はとても手厚いです。

昭和病院には、約1億7千9百万円と直接的な支援しています。昭和病院については、新型コロナウイルスの影響で、院内感染を恐れて人々が病院に行かなくなり、売り上げが落ちた分が約5億円で、運営する7市の分担で小平市約1億7千9百万円が負担することになったと議会で説明しています。新型コロナウイルスの対応のため公営の医療機関を守らないといけないのは理解できます。しかし、新型コロナウイルスで通院控えが起きているのは、昭和病院だけではなく、民間の病院も全く一緒のはずです。民間病院への市の施策はありません。

そのほかには多摩六都科学館は約1千百万円や、小平市が委託している事業であるコミュニティタクシー3千万円、コミュニティバス2千7百万円、指定管理者制度で委託している小平市民体育館なども利用者収入減に対しても、約1600万円の直接的な支援で予算を割り当てています。かなり手厚い行政の委託事業への予算で、これは行政に甘すぎる予算と言われてもしかたないでしょう。

小平市民体育館を例にとると、小平体育協会に随意契約で指定管理で依頼しています。2016年度の利用者収入は約5600万円でしたが、今回約1600万円ほど約3か月分の利用者収入の補助金を入れています。ここまで保護するのであれば、指定管理者の財務状況を公開すべきです。

小平市と、小金井市、東大和市、東久留米市、東村山市との補正予算の比較

小平市の周辺の市の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を含む補正予算を比較します。

図1.小平市と周辺市の補正予算、歳出目的別分類(単位千円)
(補正予算を目的別に分類した予算であり、コロナ対策以外の補正も含まれる)

5市の中では、小平市は人口19万人を超えており最大であるためもっと財政規模が大きいです。支出の割合として、経済支援の商工費の割合が、小平市と東大和市が少ないのがわかります。東大和市は、人口8万5千人と規模が小さいのですが、国の補正予算が決まる前に、市の財源である基金をつかってオンライン授業の実験など積極的にデジタル投資しています。6号補正予算では、国の予算を基金に戻しているので消極的な予算であるわけではないという話をある東大和市議に伺いました。

図2.小平市と周辺市の補正予算、歳入(国、都、市の支出)(単位千円)
(補正予算を目的別に分類した予算であり、コロナ対策以外の補正も含まれる)

図1と図2の小平市、小金井市、東大和市、東久留米市、東村山市の歳出の目的別内訳、歳入の内訳(国支出、都支出、市の支出)を分類しています。東村山市は財政力指数は小平市より悪いのですが、市の財源をつかって経済支援を手厚く行っています。

各市の経済支援策については以下のようになっています。

期間支援策
小平市2020/10/1~2021/1/31キャッシュレスポイント還元、auPay, PayPay毎月交替で、上限10,000/月、1回1000ポイントまで、最大30%(約2億5千万円)
2020/10/31モリモリ食べて盛り上げよう(約1千80万円)
小金井市不明プレミアム商品券(8千8百万円)
不明小金井市観光まちおこし協会補助金 オープンスペース活用事業(12百万円)
東大和市2020/9/1-9/30キャッシュレスポイント還元、Paypay毎月交替で、上限10,000/月、1回3000ポイントまで
東久留米市不明プレミアム付き商品券(約1億65百万円、委託料38百万円)
~2020/12/31テイクアウト・デリバリ・キャッシュレス推進支援補助金(約5千5百万円)
東村山市2020/10/1~12/31キャッシュレス還元Paypay、上限額は2,000円相当、1ヵ月あたり5,000円相当、3か月で最大15,000円相当、最大20%(約5億5千万円)

小平市のキャッシュレスキャンペーン参加店舗は10月5日現在auPayについて公表されており、約250店だそうです。小平市の統計書(令和元年)の産業によれば、2014年度と古いのですが、827店舗あるようです。現在も827店あるとすれば、参加店舗は、約30%ということになります。

私がよく利用する、パン屋、八百屋、豆腐屋、肉屋、イタリア料理店にヒアリングしましたが、いずれもキャッシュレス決済に参加せずとのことでした。理由は様々ですが、自分の店の客は高齢者が多いとか、(実際には数日で現金化されるようであるが)現金化に時間がかかる(と思い込んでいる)、ジャパンネット銀行に口座を開設しないといけないなどの手間などが理由でした。本当にキャッシュレス決済を促進するなら、市は事業者側にも促進のための手数料を払ってお願いしないと普及しないと感じました。250店舗でのキャッシュレス決済で、本当に約2.5億円が使い切ることが出来るのか注目されます。

小平市議会会派へのヒアリングと今後の議題

4号補正予算のハード改修が多い予算編成を指示したのは言うまでもなく小林正則市長です。市民や事業者への景気対策のための予算は多くとるなという大方針が出ていると考えます。地方創生臨時交付金の活用が可能な事業(例)と異なる予算の使い方、例えばエレベータに空調をつけることでエレベータの改修ではなくコロナ対策と説明してしまうなどは、市の職員がリードすることはできないはずです。役人というのは、国や都道府県の指針に対して忠実です。トップからの市民や事業者への景気対策のための予算は多くとるなという指示に対して、それでは使い切れない予算なので、公共工事を無理やりコロナ対策としているわけです。そういう意味では、市の職員は知恵をしぼったと思います。

その4号補正予算に対して、政和会(自民党系会派)からは、表3のうち、黄色のマーカーで色をつけた事業、公共システムの予約システムリニューアルや、市庁舎と健康センターのエレベータ改修、地域センターの換気設備とトイレ自動水栓、ルネこだいらのHPのリニューアルなどについて不急であるという理由で、約2億5千万円を財源に地域振興券を発行するような予算組み替えの動議(提案)がなされましたが、一人会派の会(4)、政和会(5)の賛成9に対して、フォーラム小平(4)、生活者ネットワーク(3)、共産党(3)と、公明党(6)、まちづくり市民こだいら(1)の反対17で反対多数で否決されて、4号補正予算は原案通り可決されました。

このブログを書くにあたって、4号補正予算に動議を出した政和会(自民系)と賛成した一人会派の声が大きく聞こえてきて自分もその通りだとおもったのですが、自分でも調査して、さらに4号補正予算に賛成、動議に反対した会派にもヒアリングを行いました。

本予算に賛成、動議に反対したフォーラム小平の竹井市議、共産党の細谷市議、生活者ネットワークの佐藤市議、山﨑市議、公明党の津本市議、まちづくり市民こだいらの水口市議、本予算に反対、組み換え予算動議を出した政和会松岡市議、賛同した一人会派の会の橋本市議からお話を伺っています。

今回の予算は臨時補正であるため、市からは、7月27日(月)に、つまり8月3日(月)の臨時市議会の1週間前に与党も野党も同時に資料の提示と説明がありました。

1週間で判断しないといけないわけで難しい判断を迫られたのは間違いありません。さらに政和会の組み換え予算動議についての説明は、8月1日または、8月2日に各会派に送られて電話で送ったという連絡、もしくは電話での説明を行ったようです。2日前または前日に動議の説明がされて検討・判断する時間がない、という動議に反対した市議の言い分はわかります。

8月3日は、本会議での大綱の質疑、総務委員会に付託されての審議、再び本会議による決議という流れで1日でおわっています。

臨時予算に賛成、動議に反対した会派の言い分は以下のようなものでした。

  • エレベータ空調も改修、地域センター・ルネこだいら自動ドア化・トイレ水栓の自動化、会派でも議論はあったが、いづれやらないと行けない事業でもある。人が集まれる公共施設の工事なので、市民のためにもなる。
  • 国の使用用途例にはあてはまらないという指摘は、実際には緩い規制であり市があげてきた時点で問題ないはずであり、総務委員会の審査でもそのような指摘をした委員はいなかった。
  • エレベータ改修は空調工事でありコロナ対策として認識している。
  • 工事内容は不急ではないとはいえない。
  • 地域振興券は、人が触ったり、時には紙幣同様に舐めた手で触ることもありでコロナ時代にはふさわしくない。
  • 地域振興券は、発行手数料のためのお金も時間もかかる。
  • 地域振興券は現金化するまで時間がかかる。
  • 市民の心理がは外食してお金を使おうというムードでもない。
  • 地域振興券は1万円という単位になるため低所得者は購入できない。
  • 支援者ほか市内事業者をまわった結果、地域振興券を望む声は少なかった(ゼロではない)。
  • キャッシュレス決済は使える人が限定されるので不平等であり、キャッシュレス決済ポイント還元は取り下げるべきなので政和会の動議には乗れなかった。
  • 政和会からは事前に送られてきたが説明はなかった。どうせ断られると思ってなのか、最初から説得して組み替え動議を成立させるという思いは伝わらなかった。
  • 悪い予算と良い予算が入っているから悩むが、児童養護施設等退所者支援金は1日でも遅らせてもらいたくなかった。
  • 今後は予算が出てくる前に良い使い途を会派として行政側に提案していきたい。

このような説明をしてくれました。動議には乗れなかったというの会派のご意見でした。本音と建前の部分があるので断定はできませんが、補正4号を積極的に肯定している会派はいないと感じました。

かといって、政和会(自民系)の地域振興券発行にしてしまうのは良くないと思った会派もあったようです。ハード予算を減らすことは合意できたとしても、その予算を別の用途、経済支援、コロナ時代の防災対策、オンライン教育の実証実験、社会的弱者への支援など、考えられる対策に振り分けるように合意をとるのは1週間では難しいかもしれません。むしろ常日頃から、コロナ対策のような国難に対して議論を行い、市の補正予算が出てくる前に、どんな対策ならなるべく全会派が乗れるのかを話し合ってもらい準備をしてもらいたいです。

与党会派には、何故そこまで小林市長に遠慮する必要があるのかと問うと、とくに遠慮はない、与党という立場は関係なく是々非々で判断していると説明されました。また与党として、自分たちの会派の政策は予算化されているのか?と問うと、そうでもないという説明をされます。つまり与党であるという意味はほどんとないのです。

本当によくわかりません。政治的な思惑、すなわち来年の市長選、都議選や市議選の補選への思惑があり、現職市長と対立したくないというのはあるのでしょう。

市議会における与党・野党とは何でしょうか?それぞれ別の選挙で選ばれた市民の代表です。議会での予算の賛否判断に遠慮があってはいけないのです。今後、市議選で市長推薦・応援はなしにする。市長選では、市議が推薦・応援することはなしにする、条例をつくって禁止してもよいのではないでしょうか。与党をなくすのが最大の議会改革です。

さらに、市議会の会派間での対立が深刻であることも浮き彫りになってきました。議会改革を掲げる会派からは、これまでの市議会の暗黙のルールを変えるためのさまざまな動きをしており、別の会派からは、市議会は自由闊達の議論を否定しないが、一定のルールがあるべきたという言い分でした。お互いに相手方の会派が非常識だという言い方をしており、一部の会派間では協力関係が成立しないような状況にもなっているように感じました。

このような状況下で、市議会の会派間で対立は、市の思うつぼで、どんな予算でも通せてしまうということを意味しています。今回の補正4号では、よく練られた良い予算とも思えないものが通ってしまったので小林市長も行政マンも、すっかり自信をつけてしまったことでしょう。

一生に一度経験するかしないかの感染症と国民は向き合っています。会派間の主張はそれぞれあるとは思いますが、市民のためのベストの新型コロナウイルス対策を行えるように、協力すべきところは協力して、予算の審査を行ってもらいたいと思います。

小平市が最もポンコツなところは、新型コロナウイルスで市内事業者がどのような被害状況なのか把握されていないことでした。3千数百万円しか使えなかった予算に5億円をつけた中小事業者等、家賃支援給付金は、実情把握していないことを意味しています。市が実情把握が出来ていないことについては、すべての会派が同意してくれました。

会派の市議が支持者である事業者にヒアリングするのも良いですが、その結果を市民にも公表できる形で進めていただきたいと思います。実際の不況はこれからです。何をすべきかは、まずは現状把握からです。実態調査をしっかり行って、情報公開して適切な対策予算として使っていただきたいです。

最後に小平市の一般会計予算推移のグラフを図4に示します。2018年までは決算認定された歳出です。2019年と2020年の補正4号までは予算です。

図4.2008年から2020年までの小平市の一般会計(目的別分類)

市税収入はこの12年間約300億円で頭打ちであるのに対して、国策に合わせて予算が肥大化して国庫負担分が増加している背景はあるのですが、2019年度は約670億円まで増加しており、2020年は約920億円と跳ね上がっています。特別給付金一人10万円が198億円ほど載っていることが一番大きいのですが、これらの予算はやがて増税となり国民に跳ね返ってくると予想します。小平市の予算が、なるべく多くの市民が納得できる形で使われるように市民はチェックしていきましょう。

まとめ

  • 新型コロナウイルス対策予算として、補正2号、3号、4号が市議会可決されましたが、補正4号については新型コロナウイルス対策以上に、市の施設の改修に予算化された内容が多く、問題がある予算でした。
  • 近隣他市と比較しても商工費の割合は少なくです。全体的にハードウエアへの投資が多いです。使い切れず本来は市の予算でやるべきことに割り振ったように見えます。
  • 小平市議会で補正予算4号予算に賛成、政和会(自民系)の組み替え予算の動議に反対の市議会会派も、市の予算に必ずしも積極的な賛成ではなく、消極的な賛成の印象を受けました。
  • 小平市の市議会は会派の主張がぶつかっており、雰囲気が悪くなってしまっています。国難の時期なので、市の思うつぼにならなように、市議会で一致団結して予算の修正をもとめていただきたいです。
  • 小平市内の中小事業者の実態調査が出来ていないことが課題です。会派ごとにヒアリングをしているようですが、市として公表できる形で実施いただき、今後本格的に来る不況に備えて適切な予算配分をしていただきたいです。

以上(2020年10月5日)

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    毎週土曜日朝7:00から8:00まで小平中央公園噴水前集合で初心者やシニアと準備運動とジョギングしています。簡単なアドバイスもしています。よろしければ一緒に走りましょう。

    小平市では、「わたしたちのまちのつくり方」(http://watashimachi.main.jp/)という団体で、都市計画・まちづくりに関するイベント、地方選挙の公開アンケートなどを行っています。自分でやってきたことを整理する意味でブログをはじめました。

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