マンション管理

マンション電気温水器の減圧弁トラブルについて

投稿日:2020年7月8日 更新日:

オール電化の古いマンションでは電気温水器がある部屋は多いでしょう。私の住んでいる分譲マンションは築37年。電気温水器からにお風呂場、洗面台、台所のお湯が供給されています。

今回、私の家では、お風呂場の水とお湯の出が悪くなってしまうトラブルが発生しました。正確には、給湯器からのお湯の出が悪くなり、お風呂場は水もでなくなったというのが症状でした。この原因がどこにあるか、配管図をみて、系統を追いかけて考えてみたところ、電気温水器の前の減圧弁であることがわかって交換しました。

今回のブログでは、電気温水器のお湯の出具合がわるくなった原因を探ってその原因や工事の内容を以下の流れでまとめたいと思います。

電気温水器の仕組みと圧力設定

電気温水器の仕組みはシンプルです。370Lの温水器の容器の下から水が入って上からお湯がでる。夜間にタイマーで温められます。お湯の方が水より比重(体積当たりの重量)が小さいため、タンク上部がお湯になります。下から水道圧で押されて、上からお湯がでる仕組みです。

我が家の電気温水器は370Lです。一日の使用温水量が370Lを超えると、水が出てくることになりますが、普通にお風呂やシャワーを使う分にはそのような使用量にはならないでしょう。

電気温水器は、給水圧力が十分でないとお湯は十分に出てこないという仕組みになっています。

図1は、我が家の給水・温水の平面図と系統図です。平面図は普通の人が見たら何のことがわかりません。解読して書いたのが系統図です。電気温水器を設置した古いマンションでは我が家と類似の系統図になっている家も多いでしょう。温水器の出は、お風呂場、洗面台、台所のシンクに銅管で分配されて水と混合栓で調整されて、お湯が蛇口から出てきます。

 

 

図1.電気温水器による給水、平面図、給湯系統図

圧力を追いかけていくと、量水器(水道メーター)の前に、減圧弁がありますが、設定は200KPa、これはマンション全体を直結方式の給水に変更(詳しくはこちらのブログ)したため全戸に取り付けています。現実には4階の私の部屋では200KPaの圧力はなく、170-180KPa程度の圧力で給水されていることが量水器の後に取り付けた圧力計でわかります。

給湯器の前に減圧弁がもう一つあってこちらの設定は80KPaです。電気温水器の出力配管に安全弁が設置されており、95KPaに設定されています。万一減圧弁が壊れた場合は、こちらの安全弁が作動して電気温水器の圧力が95KPaにならないように制御されます。

電気温水器の最大使用圧力は100Paです。水の沸点は100℃ですが、家庭で使う温水は100℃にする必要はありません。100℃を超える容器は、蒸気が発生することとなり圧力容器に分類されてしまうため構造上の制約も多くなり、コストもあがるため電気温水器はこのような設計になっています。

今回の私の家のトラブルは、お風呂のお湯、水の水量が弱くなったのですが、お風呂場へ分岐する水も、80KPaに設定された減圧弁の後で分岐しています。このことから水量がおちたことはこの減圧弁がうまく動作していないのではないかと考えました。

温水器周りの写真は以下のようになっています。

図3.電気温水器全体、温水配管(温水器の上側)、給水配管(温水器の左側)

電気温水器の下から、赤い仕切りバルブがあり、その上に減圧弁があり、80KPaに減圧後に、二つに分岐されてお風呂の給水へ、一度立ち上がった配管は、電気温水器の下から給水されます。この圧力で電気温水器内のお湯は押されて上部から温水がでます。

お風呂でお湯をつかったら、電気温水器の下の給水配管の圧力で押されて上部からお湯が押し出されます。昼間にもし370Lお湯をつかったら水になってしまいます。

夜間にタイマーで温められます。このため電力会社との契約は夜が安い夜トク8という契約にしています。

図4 夜トク8の電気料金(東電HPより)

電気温水器の減圧弁工事について

電気温水器は、寿命が来てお湯が漏れてくるような事態にならない限りは、メンテナンスすることはありません。減圧弁の交換は自分でやれるかどうか見てみましたが、無理そうなので2009年に電気温水器が壊れて交換したときの業者に連絡してお願いしました。

普通はメンテナンスすることはないので、手順を覚える必要もないのですが、せっかくなので備忘録として簡単にまとめます。

  1. 電気温水器の電源をオフにする
  2. 電気温水器への給水バルブを閉じる
  3. 排水バルブをあけて、電気温水器のお湯をぬく
  4. 電気温水器上の安全弁を開けて空気の逃げ道をつくる
図5.電気温水器の水を抜く手順2(安全弁のレバーを上にあげる)

まず工事屋さんが行ったのが、減圧弁のフィルター清掃です。減圧弁の中にフィルターが入っており、そこのフィルターが目詰まりを起こして減圧弁がきちんと動作しないケースもあるようです。

 

図6.安全弁のフィルター清掃

フィルターには、鉄さびのようなゴミがたくさんひっかかており、まずはゴミの清掃を行って、再度取り付けましたが、給水量は少ないままです。この時点では配管は切っていなかったのですが、給水配管に流れる音で判断出来るほど勢いはなかったです。

この時点で、減圧弁を新品に交換が決定しました。次に行ったのは給水配管を切って減圧弁を外す工事を行いました。最近は給水配管はHIVPという塩ビが使われるようになっていますが、私のところは普通のVP管で簡単にパイプカッターで切っていました。復旧はHIVPを使ってもらいました。

図6.配管カットして減圧弁の交換

減圧弁を解体した結果は以下の通り。

図7.減圧弁解体

減圧弁は解体してみましたが、どこが壊れているかはわかりませんでした。銅の容器に水が流れるのですが、その水路を下のゴムがついた金属をばねで押して減圧する仕組みになっているようです。

今回、お亡くなりになった減圧弁を新品に交換してもらったら、お風呂場のシャワーの水量はもとに戻りました。シャワーのお湯を出して、ボールで1Lを測ってみましたので5~6秒程度ですので、水量は10L~12L/min程度でした。

図8.お風呂場の水量テスト

ここ数年の懸案事項が解決。満足しました。

気になる修理代は、税込み3万円でした。3時間ほど作業して頂き、減圧弁代もあるのでまあそんなものでしょう。但し、相場は調べていないため高いか安いかはわかりません。

ところで交換した減圧弁RD-25SNは株式会社ベンがつくっている製品です。モノタロウやmisumiでは、5-6千円で販売されています。2009年に電気温水器交換時にもつかっていたものと全く同じものです。価格表には9,400円とあります。ニッチと言えばニッチなのでしょうが、10年以上同じものを作り続けて売価を維持できる会社、なかなかありません。まあ、よくある利権構造にハマっている会社なのでしょう。

電気温水器マンションの今後

現在は東芝製のステンレス製の電気温水器を置いていますが、東芝も電気温水器の製造をやめて今作っているのは三菱電機だけのようです。業者さんにも聞きましたが、今370Lを交換したら、35万円くらいしますと言っていました。11年前は、25万円くらいだったと記憶しています。

レガシーになってしまった設備はメンテンナンスできる業者も減って、維持するのも高くなります。

最近のオール電化のマンションは、より効率が良く電気代を安くできるヒートポンプをつかったエコキュートに置き換わっています。一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センサーの情報によると冷媒は、CO2をつかっているようです。夜間お湯をつくって温水槽にお湯をためておく原理は同じようです。

しかし中古マンションをエコキュートに置き換えるのは、室外機をベランダにおくとして、冷媒配管の引き回しがあるので簡単ではないようです。また室外機の騒音の問題もあるようです。

太陽光発電など再生可能エネルギーが増えて、私たちの電気代が補填するため電気代はますます上がっていきます。きっと古いマンションの電気温水器置換用のエコキュートユニットのようなものが出て、静音小型の室外機となり配管工事の手法も確立されていくのではないかと期待しています。

まとめ

  • 古いマンションで電気温水器をつかっている部屋では、電気温水器の前の減圧弁が壊れて水の流れが悪くなると、お湯だけでなく、一緒に減圧される水も圧力がさがりお風呂のシャワーの湯量が極端に落ちる場合があります。
  • 減圧弁を交換すれば改善されます。
  • 電気温水器を製造しているメーカーは、三菱電機のみとなっております。
  • 電気代を抑えられる効率の良いエコキュートは新築マンションで採用されていますが、電気温水器のマンションの置換用エコキュートが出てくることが期待されます。

以上

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