マンション管理

マンション給水方式、貯水槽給水から直結方式への変更(工事完了編)

投稿日:2020年6月8日 更新日:

※閲覧数が多く質問してくれる方も多いので、マンション管理組合向けのサービスサイト「マンション管理組合目線」に、中小マンション直結給水方式への切替というブログで、貯水槽方式、直結増圧方式、直結直圧方式の工事費、維持費のコストシュミレーションを行っています。どうぞ参考にしてください。

マンション給水方式、貯水槽給水から直結方式への変更(総会決議対策編)を昨年の11月のマンション管理組合の臨時総会の後にブログにまとめました。私のブログでは閲覧数が多いテーマです。自分で検索して業者選びをした経験からもマンションの給水方式を直結方式に変更したいというニーズは多い割には、情報が少ないと感じています。2020年の5月~6月にかけて無事に工事を実施して直結直圧に切り替えることに成功しましたので、以下の流れでブログにまとめたいと思います。

工事スケジュール確定までの作業

臨時総会で、組合員の3/4の賛同を得て、直結直圧工事の実施が決定したのが、2019年11月2日。その後にまず実施したのが水質調査。私の住んでいるマンションでは、2004年に給水管更生工事というのを実施しておりエポキシ樹脂によるライニングを行ったため、東京都の水道本管に直結工事をするにあたって 東京都指定給水装置工事事業者工事施行要領 に基づいて44項目の物質について、配管に16時間浸出させた水(蛇口をあけずに放置しておく)と、5分間流水させて、15分間浸出させた水をサンプルの水質検査を行う必要がありました。44項目の水質テストは実施できる業者は、東京都の水道局のサービスステーションに問い合わせて紹介してもらいました。費用は高額で税込み40万円程度でした。相場は決まっておりどの会社でも同じくらい請求されるようです。

図1.水質調査会社によって採取された水

日程を調整して、前日から水道を使用しないようにして、16時間のエポキシライニングされた配管に浸出された水道水を準備しました。水質分析の会社の担当者が水を採取しにきてくれます。5分通水した水と両方を採取して、その後2週間ほどで、分析、結果を頂きました。

結果は無事に全44項目合格。エポキシ樹脂によるライニングから有害物質は溶けだしていないということが証明されて直結工事が出来ることが確定しました。もし溶出していたら大変な話ですのでほっとしました。最近では、エポキシ樹脂による給水配管のライニング工事は実施されていないようで、寿命が来たら配管を更新(入替)するのが普通になってきているようです。

その後、2019年11月のマンション臨時総会で選定した工事会社への発注を行いました。直結給水方式は東京都の補助金で、水道本管からの取り出し工事について実施してもらえます。しかし、2019年11月末だったので、2019年度の工事は予算が確保できない状況であることがわかっており、工事は、2020年4月以降になりました。

直結給水方式するにあたってもう一つ実施しないといけないのが、マンションの水道管の耐圧テストです。専有部を含むマンション水道管に対して0.75MPaに昇圧して、1分間保持して、水漏れが発生しないことを確認する必要があり、発注した工事会社に来たもらい耐圧テストを1月に実施しました。このマンションの水道管圧力は、0.2MPa~0.3MPa程度なので、その3倍の圧力をかける古いバルブは漏れてしまう可能性があります。私たちのマンションでもテストした専有部のバルブを交換して、無事に耐圧テストに成功しました。築30年以上経過しているマンションの給水管では、0.75MPaはかなりきつい条件だと思います。なお、直結給水にする場合は、専有部の量水器の前で、0.2MPa程度に圧力を落とす減圧弁を入れるので、仮に水道本管の圧力が高くても専有部の配管が0.2MPa以上になることはないため、0.75MPaまでは上がることはありません。

ここまで終えて東京都水道局のサービスステーションに東京都水道局へ申請します。工事業者が代わりに代行してくれますが、理事長はたくさんの書類への捺印が必要です。

  • 給水管工事申請書
  • 給水装置(新築・改造・撤去)施工承認申込書/工事申込書
  • 道路占用手続委任書
  • 直結切替増径工事条件承諾書 兼 工事申込書
  • 工事会社への委任状
  • 貯水槽水道廃止届
  • 特例直結給水既設使用条件承諾書
  • 共同住宅扱い(管理人・使用者)変更届兼受水タンク以下メータ設置管理人届
  • 16時間浸出テスト(私たちのマンションではエポキシ樹脂によるライニング工事を実施していたために必要だった)、水道管耐圧テスト結果
  • 水理計算書

総会決議対策編に書きましたが、直結切替増径工事条件承諾書には、『制限給水時、事故時、水道施設の工事等による一時的な水圧低下に伴う上層階での断水や出水不良が発生した場合は、共用の直結給水栓を使用します。』という文言があり、捺印する理事長にはプレッシャーがかかります。

これらの手続きを2020年3月に実施しました。4月以降東京都水道局側の本管工事を実施する水道工事会社の選定が終わり日程が決定しました。5月GW明けに着手。私たちのマンションの会計期末は5月だったので期内で終わらせたかったですが6月にずれこんでしまいました。補助金を使った工事と言うのは、日程調整に時間がかかります。

実施工事について

工事は、5月GW明けに開始しました。日程調整をしている4月、新型コロナウイルスで緊急事態宣言の最中でした。東京都水道局にも相談しましたが、屋外での工事で三密に当たらないと言うことで、補助金対象の工事も見合わせる対象にはなっていないということで予定通り実施しました。終了したのは、6月上旬。3週間程度の工程でした。

断水は2回。各専有部の量水器の前に、減圧弁ユニットをつけるときに1回目の断水があります。系統ごとに仕切弁がついていたので、系統ごとに断水しての工事実施となりました。最後に水道本管工事を実施して、マンション給水本管に接続する日は全戸一斉の断水となります。住民向け説明会は、新型コロナウイルスの影響で公共の建物が使えないため、近くの公園で実施しました。

工事の概要を以下にまとめました。

図2.(特例)直結給水工事の概要

実施したのは、専有部の量水器に減圧弁を入れて一定圧力以下に制限する工事、最上階の縦配管のトップには、吸排気弁をつけて、ウオータハンマー対策、万一の圧力増加の場合の対策、水道本管からの直結工事(増径工事、私たちのマンションは新規取り出し工事、東京都補助金対象)、使用しなくなった旧取水口の閉栓工事(東京都補助金対象)、貯水槽、ポンプ、不要となる既存配管の撤去工事、それらに伴う外構工事です。

まずは、専有部の量水器廻りの工事を実施します。直結用の減圧弁ユニットが販売されています。このユニットを取り付けます。同じエリアに収まるようになっています。最上階の4階には、吸排気弁というものも縦管の先端にとりつけます。今回、4階の部屋には圧力計をつけて給水ポンプによる供給の圧力と、直結給水による圧力の差を確認しました。実は私たちのマンションの給水ポンプは、20年以上前から使用しているもので、インバータ制御機能がない単純なオンオフだけの制御であり、実際に4階の専有部でどのくらいの圧力を維持しているかは、今回工事するまではわかりませんでした。圧力差については後述します。

図3.専有部の量水器の減圧弁ユニット(工事前と工事後と減圧弁)、4階には吸排気弁が取り付けられている(中央の写真右上の青いバルブの上)、下の写真減圧弁の設定が0.2MPa

各専有部の工事が終わりいよいよ東京都の水道本管から、マンション給水管に直結させる工事を実施しました。

図4.本管からの分岐、第一止水弁、量水器(メーターバイパスユニット)、共用栓量水器廻りの工事

東京都水道局の本管からの分岐工事は、平日の昼間に行われました。本管の給水を止めずに本管に切り込みを入れる技術があるようでとくに周辺の水道への影響はないようです。第一止水弁(右下の丸い〇)、メーターバイパスユニットという新しい量水器(左奥の縦長の□)、散水/清掃用の共用栓の量水器を設置しました。

最期に、地下貯水槽のポンプから接続されているマンション給水管を外して、直結させる工事を行いました。

図5.地下貯水槽、ポンプからの給水配管を外して、水道本管からマンション本管に水道管を直結させる工事。

新規の接続配管には40AのHIVP(耐衝撃硬質ポリ塩化ビニル管)を使用しました。支持金具の必要性から、壁際に立ち上げる必要があり接続部がクランクしているのはいまいちであるが、他に方法がないようで了承しました。

図6.貯水槽の解体(上から解体前、解体中、撤去後)

(特例)直結給水方式によるの水道圧力、工事後の変化

今回の直結方式に切り替えるにあたって、住民の皆さんの不安の声で多かったのは、4階でもこれまでと同様の圧力で水道水が供給されるのか?ということでした。計算上は使用していたポンプのオンとオフの中間の圧力になる予定でしたがやって見るまではわかりませんでした。実際の水道使用が重なる時間は多くはなく、圧力損失は水理計算の結果よりもかなり少ないことがわかりました。旗振りをした私が最上階の4階の住民であったため、他の組合員を説得しやすかったですが現実にどうなったかを報告します。

今回は、工事業者には、量水器を含む減圧弁ユニットは圧力計をつけられるタイプのものを準備してもらいました。最上階の4階住民は心配するので全室に圧力計の設置をお願いしました。はじめに4階に量水器を含む減圧弁ユニットをセットした時点では、まだ地下の貯水槽からポンプで給水しています。この時点で減圧弁を作動させない状態で圧力測定を行いました。

図7.給水ポンプによる供給時の圧力(低)と、圧力(高)4階の量水器直後。写真では、高0.25MPa、低0.18MPaに見えるが0.16MPa程度まで圧力は落ちていました。

地下の給水ポンプの性能は、最大圧力3.65kgf/com2(0.357MPa)でポンプ停止、圧力が落ちて、最低圧力2.7kgf/cm2(0.265MPa)で、ポンプ稼働(正確には2台あるポンプが交互に動く)というポンプユニットによる交互の運転になっていました。昨年の検討段階で地下のポンプの吐出圧力を測定した結果です。

実際に測定した圧力と、水頭分が約12mH2O(0.117MPa)なので、差分をとると

  • 4階での計算上の圧力最大値 0.357MPa – 0.117MPa = 0.240MPa
  • 4階での計算上の圧力最小値 0.264MPa – 0.117MPa = 0.157MPa

実測結果は、図7の圧力計の圧力にある通り、0.25MPaと0.16MPaなので、ほぼ計算値とあっています。圧力損失は圧力計を確認したときは、無視できる状況でした。

図8.ポンプ吐出圧と4階の圧力について

こちらの水道本管は地中下に約70cmくらいに埋まっているので、4階までの水頭は、9.2mH2O(0.09MPa)あります。東京都から聞いている水道本管の圧力は、0.26MPaでした。この水道管本管圧力は場所によって異なります。直結を検討されている人はお近くの水道局サービスステーションに問い合わせください。4階の圧力の計算値は圧力損失を無視すると以下となります。

  • (特例)直結方式の場合の計算値 0.26MPa - 0.09MPa = 0.17MPa

図8の直結工事を終えて、専有部の蛇口から通水後の状況で圧力を見ました。減圧弁の設定圧力は、1階、2階、3階、4階、すべての部屋で0.2MPaとしました。水道本管に直結させる場合の専有部に減圧弁を入れる設計は、東京都水道局の仕様ですが、この0.2MPaという圧力設定は工事業者の提案でした。圧力損失の小さい1階や2階の水量を制限して、4階の圧力を落とさないようにするために減圧させます。現実の計測では、最上階4階の圧力はどこの専有部でも、0.17MPa~0.18MPa程度でした。つまり4階に関しては減圧弁は0.2MPaの設定以下ですので動作しておらず、最大の開の状態になっています。

こちらも計算値と実測値はだいたいあっております。同じ系統の縦配管で、複数の部屋で水道を使っているときは圧力損失で、もう少し圧力は落ちるかもしれません。

図9.直結工事後の最上階4階の専有部の圧力

なお、1階から3階までの圧力は測定していませんが、概ね以下のようになっているはずです。4階と3階は、2.8mの差があります。2.8mH2O(0.027MPa)の水圧差がありますので、おそらく0.197MPa ~0.207MPa程度で減圧弁が機能するかしないか程度の圧力になっているはずです。2階は、同じく2.8mH2O分(0.027MPa)の圧力差がありますから、0.224MPa~0.234MPaの圧力となっているはずで、減圧弁が機能して0.2MPaで専有部に供給されています。1階は、さらに、同じく、0.2MPaの圧力で供給されているはずです。

図10.4階圧力実測から推定される各階の圧力と減圧弁

最後に、昨年の6月と直結工事後の実際の私の部屋で行った水道の流量の差を示したいと思います。私の家にあるボールで測定しています。流量を制限するノズルは取り外して測定しています。

1Lボールを満たす時間の水量測定

 

2019年6月26日(水)

ポンプ供給

2020年6月8日(月)

直結

AM6:30  1回目

5.85秒 5.38秒
AM6:30  2回目  8.84秒 5.69秒
AM6:30  3回目 4.69秒 5.32秒

AM7:30   1回目

3.79秒 4.74秒
AM7:30   2回目 3.95秒 5.36秒
AM7:30   3回目   3.80秒 5.04秒
平均 5.15秒/L (11.65L/min) 5.25秒/L(11.4L/min)

図11.水量測定の結果(ポンプ供給、直結の比較)

ポンプを使っての供給の場合は、流量が安定していません。2019年の6月の実施のAM6:30の2回目の8.84秒/Lは、ポンプが停止している状態からのスタートだったと予想されます。但し、このような極端に流量が少ないことは、めったにありませんでした。AM7:30では、タイミングよく同じ系統での水利用者が適度に少なく、かつポンプが回っていたのだと思われますが、3秒台/Lとかなり速いです。一方、直結式での供給の場合は、配管の元圧が安定していることから、ほぼ5秒台前半と安定しています。このほかの時間でも計測していますが変わらず5秒台でした。

図8のポンプ供給時の圧力で言うと、 0.25MPaの時が、3秒台/L、0.16MPaの時が8秒台/L、図10の直結給水後の圧力で言うと0.17MPa~0.18MPa/Lで、ほぼ5秒台前半という結果と合致していると言えます。東京都水道局の設計では、4-16ページに、台所流しで12-40L/minとありますので、1Lの水量測定では、5秒というのが基準になるので、少し圧力は設計基準より少ないようです。

なお、工事を決定する臨時総会の前に心配されていた私の部屋以外の4階の専有部でも2019年6月26日(水)に計測していました。同じ時間の6:30AMと7:30AMに、計測は腕時計の秒針で実施した結果なのですが、6秒~7秒/Lかかっていました。ノズルの先に流量調整するフィルターがついるのでその分、流量が少ないようです。蛇口のタイプやフィルターで、同じ4階でも流量は異なることがわかっていました。あまり12L/minにこだわる必要はないと思います。

私たちのマンションは、20年以上つかっている旧式のポンプでのオンオフ制御のみなので、流量は安定しませんが、インバータ制御でポンプの回転数制御しているマンションでは流量も調整されており、もっと安定しているかもしれません。そのとき、マンション最上階でどのような圧力で供給されるように設計されているかわかりませんので、検討されているマンションの方は、最上階で1Lのボールなどを使って計測してみると良いでしょう。

なお、工事後に、4階の居住者中心に水量が足りているかどうか、ヒアリングしたところ、水量が減ったということを言う住民はいませんでした。その他の感想としては、水が冷たくなったという意見がありました。皆さんからご不満の声もなくほっとしました。協力してくださった管理組合員や住民に感謝したいと思います。

他に大きなトラブルもなかったのですが、トイレの水、及び、洗面台の水が出なくなるというトラブルがあった部屋が1室ありました。工事会社の担当者に見てもらいフィルターを清掃することで、トイレの水も、洗面台も流れるようになりましたが、トイレの水栓器の手洗いの水は、出ないままでした。特殊な構造のトイレで、これ以上の分解は難しそうだったので、トイレのメンテナンス業者に見てもらう方が良さそうなので、その費用はマンション管理組合の小規模修繕費で負担することにしました。工事業者とも話をしましたが、原因がわからなかったのですが、工事の過程で微妙な圧力変動でゴミが流れて、フィルターに引っかかったのではないかと推測しています。他の部屋はほぼ問題なく切り替え出来ました。

その他、感想

検討開始から3年かけてようやく実現した水道の直結工事が終了しました。2019年末から、貯水槽清掃の予算を削除、ポンプ、貯水槽のLとHの警報、排水ポンプなどの遠隔監視システムも止めて併せて管理人室の固定電話も解除しました。さらに、今後、東京電力との間の200Vの動力の契約も解除しましたのでマンション管理組合の電力費も下がり、約2.8千円/月程度の管理費削減に成功しています。

今回実施を見合わせた共用部の縦配管の更新や、マンション管理組合が実施すべき工事ではない専有部の給水配管工事など多額な費用がかかることがわかっており管理組合の検討次第で、専有部についても修繕積立金を使った一斉交換の可能性もあるため、セーブできる管理費を修繕積立金に回して行きたいと思います。

今回の工事、増圧ポンプを導入しなかったので、もっともシンプルな機器構成になり、良い選択が出来たと考えています。増圧ポンプがあると、電気代、メンテナンス費用や長期修繕計画上で、設備交換費用を見込む必要があります。4階建てマンションでは水道本管の水圧にもよりますが、(特例)直結方式で増圧ポンプを持たないのがもっともコストをセーブすることが出来る方法となるでしょう。詳しくは、お住いの水道局のサービスステーションに相談に行ってください。

地下室には広々としたスペースが出来ました。排気ダクトからの漏水があるので、現在計画しているの大規模修繕工事で修理して広いスペースを共用部として、有効に活用する方法を検討しています。

今後の懸念としては、渇水時に東京都水道局が流量制限することがあり得るのですが、前回のブログ「マンション給水方式、貯水槽給水から直結方式への変更(総会決議対策編)」にも記載しましたが、多摩川水系では、平成8年(1996年)以降は水道局の流量制限は実施していないようです。ここ数年は、温暖化の影響でむしろ雨による災害が増えており、利水より治水が優先されています。台風や低気圧が接近する前に、ダムの事前放流のガイドラインが検討されている状況になっています。

そんな状況なので水不足、渇水による流量制限については、そんなに心配はしておりません。日頃から防災時の水の確保を行い、マンションとしても防災井戸を掘るなども検討も出来ればと考えています。

東京都は、2012年以降直結方式を推奨しており、本管からの取出工事(増径工事)や旧取出口の閉栓工事の費用負担をしてくれます。ポンプや貯水槽が老朽化している交換時期が来ているマンションでは、設備に異常が出る前に直結式への切り替えも、選択肢の一つとして検討すべきでしょう。

水道方式直結切替にあたっての工事業者選びはとても苦労しました。現在、大規模修繕工事の工事会社選定を終えたところですが、大規模修繕工事業者と、水道工事業者では前者は、成熟した市場で競争の原理が働くのに対して、後者は東京都の指定業者にのみ依頼出来る工事と言うこともあり、あまり競争の原理が働かないと感じました。

例えば、発注するにあたって、工事途中で会社が倒産したら大変です。ある会社は、終了後の支払いではなく、発注時30%支払いを要求してきたので、マンション管理組合として、リスクの裏どりをしたいので決算情報を3年分出してくださいと依頼しました。大規模修繕工事会社では、どこの工事会社も当たり前のように提出してくれますが、水道工事会社ではそうは行きません。依頼をしたところ社長が「東京都や市町村にも決算書の提出を求められたことはない」とすっかりへそを曲げてしまい、熱心な提案をしてくれた会社だったのですが、トーンダウンしてしまったといういことがありました。

管理会社を含めて4社に見積もりを依頼しましたが、価格の差についても税抜き価格で約2割の差がありました。高い見積もりを出してきた会社はあっさりして価格交渉にも応じてもらえず競争の原理が働かない業界と感じました。顧客の方を向いておらず、水道局の方を向いている会社が多いと感じました。水道局からの仕事も多いのでしょう。

東京都の水道局は、東京水道サービス株式会社に業務委託していますがこの会社のトップは、2020年6月現在、小池百合子知事の秘書だった方が社長をされています。独占的な公共事業で、業界が古く参入障壁も大きい守られた業界と言えます。

水道法も改正されて人口減少している地方では、公営では支えきれずPFIなど民間委託の動きなどもありますが、人口が密集しており利用者が多く独占事業で価格設定コントロールできる東京の水道事業、東京都が手放すわけがありません。それに伴って工事業者も古い体質のままなのだと思います。そんな東京の水道利用者である私達は本管の圧力、補助金も含めて使い倒すべきです。

最期までお付き合いくださりありがとうございました。マンションで直結方式への切り替えを検討している方はメールで相談してくださればアドバイスをいたしますので遠慮くなくご連絡ください。

まとめ

  • 2019年の11月のマンション管理組合臨時総会で決議された給水方式の直結への変更工事実施に当たって、私のマンションでは水質検査、既存配管の耐圧テストを実施して東京都の補助金を申請して、2020年5月、6月で3週間かけて工事を実施しました。
  • 管理組合の総会前の仕様の検討や、工事会社の選定も含めると工事終了まで1年以上の期間を要しました。給水設備はライフラインそのもので設備が壊れる兆候が出てくる前に早めに検討するべきです。
  • 心配していた最上階4階での水圧については、これまでのポンプによる給水よりは平均すると少し圧力は低下しましたが、流量は11L/min程度と安定しています。11L/min程度の水量で生活に支障はありません。
  • 直結方式にして、貯水槽清掃費などメンテナンスコスト、設備の遠隔監視システムの月額料金、ポンプの200V動力電気料金を削減することができました。
  • 水道管直結工事は、東京都水道局の指定業者のみが出来る仕事です。守られた業界のせいか、業界が古く工事業者探しには苦労しました。

以上(2020年6月9日)

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