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市民ランナーとしての私の壁
私にとって市民ランナーとしての最大の壁は、フルマラソン3時間の壁でした。2007年にジョギングから始めて、2008年にレースに出始めて、2010年11月にフルマラソン3時間5秒を出してから7年間もサブスリーの壁が立ちふさがりました。長く壁を乗り越えられなかった理由が、自分へのプレッシャーから練習し過ぎたために腸腰筋を深刻に痛めてしまう怪我の壁でした。怪我の回復に時間がかかり、一年間リハビリですっかり走れなくなりモティベーションまで落ちてしまう、やる気の壁にも直面しました。2016年から再びハードに練習始めて2017年11月にようやくサブスリーを実現して、記録の壁は乗り切りました。怪我の壁、やる気の壁、記録の壁いろいろ経験して、ランニング歴は14年目になりました。
自分がフルマラソンへ向きあってきた経験や周囲のランナーの経験や周囲のランナーから学んだことを元に、市民ランナーの成長過程を4段階に分類して、それぞれで向き合う壁についてまとめました。
- 第一段階 5km以上を習慣として走る市民ランナー
- 第二段階 10km、ハーフマラソン大会を目指す(月間走行距離100km)
- 第三段階 フルマラソン目標タイムを目指す(月間走行距離150km-200km)
- 第四段階 大会で自己ベスト更新を目指す (月間走行距離200㎞以上)
第一段階 5km以上を習慣として走る市民ランナー
運動していない市民が市民ランナーになるのはどれくらいの距離走れるようになる時でしょうか。私は1回に5km以上を習慣として定期的に走るランナーを市民ランナーと認識しています。このレベルでランニングシューズは購入している人が多いでしょう。しかしマラソン大会に出ようとは考えないでしょう。5㎞程度を習慣として走るレベルを第一段階とします。ジョグ継続のレベル第一段階の壁は、環境の変化や気持ちの変化でやめてしまうことです。つまり”継続の壁”です。仕事が忙しくなったとか、子供が出来て子育てが忙しいとか、転勤になったとか、夏は暑い、冬は寒くて走る気になれないなど、そんな理由でやめてしまう人がいます。乗り越えられずに辞めてしまうランナーも多いですか、この段階乗り越えられないということはランニングとは縁がなかったということでしょうか。しかし、第四段階のランナーはどんなに忙しくても時間をひねり出してランニングを継続するものです。ですので、第一段階の継続の壁は、気持ち次第で乗り切れるというところでしょうか?
第二段階 10㎞、ハーフマラソン大会を目指す(月間走行距離100km)
ジョグ継続レベルから、10kmやハーフマラソンの大会を目指すランナーのレベルがあり、一度に10km以上走る練習も加わり、1kmのあたりのラップが気になり始めてランニングウォッチやランニング用のソックスやポーチなども気になりだすレベルを第二段階としています。人にもよりますが月間100kmくらい練習する段階があります。
第二段階は、第一段階を突破した人でランニングに縁があった人です。この過程にある壁は、”怪我の壁”です。体重が絞れていない状態で、走る距離を増やすことで、膝や腰を痛める人が多いです。1回に10km以上練習するようになったら、必ず2日間は休む、連続して練習する場合は、距離を短くする、或いはペースを落とすなど、足腰の怪我を誘わないようにすることが大事です。また体重を測って、体重減少と併せて練習強度を上げていくことが大事です。身長-110前後の体重になるまでは、慎重に距離を増やしていきましょう。第二段階では、体重が落ちて健康で体調の良さを実感できるというご褒美もあります。ご褒美をつかみとるためには怪我をしないことです。
第二段階では、練習メニューやペース設定など、あれこれ考える必要はありません。長い距離を走ることで達成感を得て走ることが辛くないと思えるようになるのが大切です。月に1回または2回くらい連続20km走ること、月間走行距離100㎞を目標にすると良いでしょう。このレベルで準備体操をすることで怪我の予防になると認識出来ると良いです。少しペースをあげる、或いは距離を長く走るときで時間があれば、準備体操すると良いでしょう。股関節、膝、足首、肩甲骨、肩などを十分に動かせればどんな運動でもよいです。短いジョグをするときなどは準備体操をする必要はありません。練習後のストレッチもハードなトレーニングをしていないの不要ですが、20㎞走などに挑戦して疲労感がある場合は行うと良いでしょう。
練習の後に股関節やお尻の周りの筋肉、腸腰筋、ハムストリングス、ふくらはぎなどを伸ばすと良いです。 もちろん準備体操もストレッチもやるに越したことはないのですが、ランニング以外にあれこれルールをつくって自分を縛ってしまうと継続の妨げにもなるのでこのようなことを書いています。
第三段階 フルマラソン目標タイムを目指す(月間走行距離150km-200km)
ハーフマラソンの大会に何度か出場して、フルマラソン例えば5時間、4時間半、4時間で完走したい、と考え始める段階、恐らくこのころは常に月間100kmは走り、月間150kmから200kmくらいは練習しているかもしれません。フルマラソンに目標をもって挑戦するレベルを第3段階とします。 なお、完走を目標とするフルマラソンに挑戦する人は、第三段階ではありません。7時間を完走目標にするのは、初心者でも可能です。
月間150kmから200kmのフルマラソン挑戦レベルとなると一度の練習で20km以上走ることになります。フルマラソンを設定タイムの5時間や4時間をクリアすると達成感があります。第三段階の壁、それは”達成感で満足してしまう壁”です。健康維持で第二段階のレベルに戻してランニングを続けるランナーもいますが、達成感を得て完全に辞めてしまうランナーもいます。
第三段階になったら準備体操をしっかり行うことを習慣化すると怪我のリスク少ないです。 ペースを意識して練習に取り組み、20㎞、30㎞の長い距離を走り始めから最後まで一定ペースで走るようになることが大事です。一定ペースで走ることが最も自分の力を出し切れるからです。レースペースで走る必要はありません。レースペースより1分以上遅いペースでもよいので、一定ペースで走るということを身に着けることが大事です。さらに、どのくらいのペースなら継続できるかという自分の走力を意識すると目標タイムも設定もしやすくなります。40㎞走は疲労が多いので本番までやる必要はありません。最大でも30㎞走が出来れば十分でしょう。そして練習記録をつけて、月間の走行距離を記録すること、レースでは自分の走りがどう改善されたか、悪くなったかを考えて練習で改善していくと、きっと何回かで設定タイムで走れるでしょう。
第四段階 大会で自己ベスト更新を目指す (月間走行距離200㎞以上)
フルマラソンの設定タイムを一度クリアする多くのランナーは、大会で究極の目標、サブスリー、サブ3.5、サブ4などの目標を持ってそのタイムをクリアしたいと考えるようになります。 どの距離がもっとも相対的に良い記録が出せるかというのは人によって違うので、 人によっては10㎞やハーフマラソンでの記録更新を目標にする人もいるでしょう。練習量も月間200km以上と増えて、質の高いハードな練習も行うようになり走力アップするので、暫くは大会で自己ベストが出るのですが、自己ベストがでなくなる”記録の壁”にぶつかります。自己ベスト更新の壁の第4段階とします。
第四段階は、記録の壁とともにハードなトレーニングするため、再び怪我の壁が立ちふさがります。この時期の怪我は、膝痛以外にも坐骨神経痛、足底筋膜炎など長くランニングを継続してきたランナーに見られる様々な怪我に直面します。
さて記録の壁をどうクリアすれば良いか。まず弱点を知ることが大事です。フルマラソンの前半と後半での時間差が4時間を目指すランナーで前後半で10分以上、3時間前後を目指すランナーで前後半で5分以上あるとオーバーペースがそもそもの原因ですが、スピードに対して持久力が足りないランナーである可能性が高いです。次に大会で設定ペースを少し落としても同じく失速するようならば、持久力が足りないランナーです。
もう少し正確に向き合うには、過去のレース記録でフルマラソンとその前後のハーフマラソンまたは10kmの記録で割った持久係数を出します。最近のレースと比較してハーフ、10kmが伸びているのに、持久係数をかけたタイムでフルマラソンは走れない場合は持久力が足りない、フルマラソンのタイムを持久係数で割ったタイムでハーフ、10kmが走れないならスピードが足りないということになります。フルマラソンで記録を出したいランナーも、10kmやハーフの大会に出て自分の走力を測ることか大事です。持久係数については詳しくはこちら
フルマラソンもハーフマラソンも10kmのレースもタイムが持久係数に変化なく伸び悩んでいるランナーは、スピードも持久力も限界まできていますが、どちらかを先に伸ばす練習が必要ですが、強化するというとスピードです。スピードを強化してハーフマラソンや5㎞、10kmなど短いレースで記録を出します。5㎞、10kmやハーフマラソンはフルマラソンよりはダメージが少なくレース出場機会も増やせるので成果を出しやすいからです。成果を自信にしてフルマラソンに向かえば結果も出やすいということになります。
スピードを強化したい場合は、スピード練習が必要になります。インターバルトレーニング、ペース走、ビルドアップなど5km、10km走力アップが有効です。5km、10kmの記録会やレースで自己ベストを出していくことが、フルマラソンで自己ベストを出す近道となります。持久力が足りないランナーは、30kmから35km以降で大きく失速してしまう場合が多いです。一度に30km以上走る練習を月に2-3回取り入れるのが良いです。ペースはフルレースペースより45秒から1分遅いくらいのペースで行ないます。レースシーズンが近づいて気温も本番に近くなったらフルのレースペースより15秒遅いペースで行って、本番に臨めればさらに良いです。レースペースでの30km走は、ダメージが多く前後での練習をフルマラソンのレース本番並みにセーブして、かつ当日の気温が低いなどコンディションの良い日にやらないと失敗する可能性が高いのでお勧め出来ません。どうしてもやらないと心配であるならば20㎞程度までにするのが良いです。
さて第四段階のもう一つの壁は再び怪我の壁。身体が丈夫な人ほど、第二段階、第三段階でもあまり準備体操やストレッチしなくても怪我の経験なく、第四段階を迎える人も多く、大きな怪我をする場合があります。私も準備体操やストレッチをしないでハードな練習を続けて2010年1月に腸腰筋を痛めてしまい1年以上リハビリ生活でした。準備体操は、肩、肩甲骨、股関節、膝、足首などを良く動かすことなのですが、必ずこの運動をしてから走るというルーチンが身につけていると良いでしょう。飽きないこと、効果が実感できることが大事です。私は2015年くらいから動的ストレッチのメニューで、身体全体を動かしつつバランス、柔軟性、筋力を強化してから走るようにしています。ストレッチは、ジョギングや20kmの練習ではやっていません。30km以上の練習や、スピード練習などの直後にストレッチするようにしています。筋肉が縮まり固まる前に、腸腰筋、股関節周り、ふくらはぎの筋肉などを行うと疲労は抜けやすく、悪い形で筋肉が固まることなく、次回の練習で怪我をするリスクを軽減出来ます。
まとめ
ランナーの成長過程を四段界に分けて、それぞれのレベルで直面する壁についてまとめました。第一段階は市民ランナーレベルで”継続の壁”、第二段階はハーフ挑戦レベルで体重を落とさずに練習量を増やすことによる”怪我の壁”、第三段階は、フルマラソンに設定タイムをもって挑戦するレベルで、達成して辞めてしまう”達成感の壁”、第四段階は自己ベスト更新を目指すレベルで、”記録の壁”と再び怪我の壁。直面するレベルの壁とその対処方法についてまとめてみました。
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