鷹の台駅の駅前広場の整備の検討が始まっています。正確には小平市の検討は終わって、住民に対して「こうなりました、最善の案です。よろしくお願いします」というオープンハウスという説明会(6/26,27,7/9,7/10)を実施しました。
西武国分寺線の鷹の台駅は、私の最寄り駅であり他人ごとではありません。小平中央公園が東側にあり、西側は個人商店街が並んでいますが、近年お店が閉店してしまい寂しい状況です。駅前交通広場もなく、雨の日の通勤時間は改札口前に、お見送り、お迎えの車が溜まっている状況は混雑しており安全とはいえず課題があります。創価小中高等学校、白梅学園、武蔵野美術大学、津田塾大学と学校が多く、とくに通学時間は小学生の乗降が多く事故がおきても不思議ではありません。
周辺には緑が多く低層住宅地が広がっている素晴らしい住環境ですが買い物には便利とはいえず物足りない点もあります。使われていない駅前の敷地には有料駐輪場に代わってしまい賑わいがあるとはいえません。
話を戻します。今回、公開された駅前交通広場の小平市の決定案には、市民の意見を聞いてほしいという趣旨の請願が市議会に提出されたり、鷹の台ひとえん会からは、市民が検討した具体的な案が複数提出されてしている状況で、小平市の進め方は、「市民参加型まちづくり」と全く言えない状況です。
2021年4月に初当選した小林洋子市長は、2021年3月24日の鷹の台ひとえん会が主催した立候補予定者による公開討論会の場で、「今までの小平市のやり方、すべてが決まってから、ご意見をくださいと市民に説明して、市民が意見を言っても何も変わらないというまちづくりでした。これを変える。ゼロベースで市民が参加できるように変える」という趣旨のアピールをしていました。
前任者の小林正則前市長の時代が16年で終わり、新しい市長が選ばれるにあたり、この小林洋子市長の言葉に期待をした市民は多かったと思います。
鷹の台の駅前広場の検討の大枠は、小林正則前市長時代に決められたこととはいえ、新しい市長としてやれることはあると思います。
ゼロベースの市民参加、簡単ではありません。どのように市民参加をステップアップさせるべきか、小林洋子市長と都市開発部に提案したいと思います。
目次
小平市の鷹の台駅前広場検討の状況と市の案について
2018年に鷹の台駅の北西部の三菱UFJ銀行が撤退するため小平市が敷地を買収したため、緑地と併せて、駅の改札口からは、少し北東側へ移動した場所に、交通広場の検討が現実化することになりました。 小平市は、2020年8月事前説明会を行いました。2020年8月時点で、既に、市は警察とも協議を終えて方針はゆるぎないものになっており、変更する気は全くない状態になっています。その案が以下の図3の案です。
2021年6月25日、26日、7月9日、10日にオープンハウスが都市開発部道路課による開催中です。市の職員の話によると、オープンハウスの開催のための資料3,000枚を手配りて市民に参加を呼び掛けたそうです。オープンハウスとは都市開発部の職員が、市民のために検討の経緯を説明して質疑に応じる説明会イベントのことです。
図3の案以外に、5つの案が検討されていることがわかりました。市のHP(オープンハウスのPanael1-8資料について早速、小平市都市開発部道路課は、HPから削除したようなのでこちらで公開しておきます。Panel3に小平市の検討してきた5つの案があります)でも公開されています。
私は6月26日のオープンハウスに参加して説明を聞きました。
職員が経緯などを一通り説明をして、市の現状案に至った理由を説明してくれます。その後、図4を見ながら、現在緑地にある①~⑦の樹木は①を除いて伐採が決定していると説明をされ、ロータリーの中央部の①の桜について、西側の線路沿いに置くベンチの種類についてのアンケートが求められます。
説明してくれた市の職員は、ロータリーの中央にある桜の木(図4の緑の①)を残してほしいですか?植え替えますか?他の樹木を植えますか?というような趣旨の質問を真剣に聞いてきました。あまりにもどうでもよくて詳細は省略します。
ご丁寧にシール投票までさせてくれました。みなさんは、シール投票したいですか?市民参加したいポイントは、ここではありませんって思いませんか?
さらに、線路沿いの東側に置くベンチは、どんな形が良いですか?という質問。これもどうでも良いので詳細は省略します。
小平市のまちづくりの何がだめか、市の職員がすべて決定して市民に説明会を開催するときには1つの案を押し付けるのがダメなのです。まさに小林洋子市長が、3月24日の市長選前の公開討論会で語っていた、市民参加の余地が残されていないづくりです。
桜の木を1本残すか、他の木を植え替えることに市民参加させるのではなく、もう少し、重要なことを市民に聞いてほしいのです。
具体的な進め方を提案します。
鷹の台駅前広場の検討にあたっての論点
2020年8月の鷹の台駅前広場整備に向けた事前説明会における主な質問と回答と、オープンハウスの私が聞いた話や展示パネル資料から論点と課題、小平市の検討結果を整理します。
表1 鷹の台交通広場論点と課題
論点 | 課題 | 小平市の検討 |
安全性 | 駅前のお迎車や物流車など一時停止車両を抜かしていく車両が駅利用歩行者にとって危険 | お迎え車、セブンイレブンへの物流車、タクシーなどもロータリで乗降させて、駅前に一時停止させない |
利便性 | 駅への送迎車、納入用事業車の一時停止スペースの確保 | 駅前広場ロータリ東側に確保 |
タクシー乗降場、障害のある方の乗降場確保 | 駅前広場ロータリ西側、線路沿いに確保 | |
緑の保全 | 7つの高木と低木がある緑地帯 | 緑地はなくして、さくら1本以外は切る |
論点は、安全性、利便性、緑の保全の3つとなります。これらの論点の中で最も深刻な課題は安全性です。
安全性を確保するために、最も良い方法は、駅前の改札口前に車両を入れさせないようにすることが考えられます。具体的には北側から入ってくる車両の一方通行の規制をやめて、ロータリーを回って北側に戻れるようにすることが考えられます。
利便性は、駅への送迎者や、タクシー、セブンイレブンへの納入車両などの物流車の停止場所の確保です。ロータリーがなくても実現できます。三菱UFJ銀行の敷地を購入するので、車両を止められるようなスペースを確保する方法も考えられます。
また、緑地を残してほしいという意見もあります。ロータリーをつくらなければ、緑も確保できます。
このように考えていくと大きく3つの案と論点が整理されます。
小林洋子市長に期待したい市民参加
今までの小平市のやり方は、「すべてが決まってから説明会してご意見くださいといいつつ、市民が意見を言っても何も変わらない」というまちづくりどう変えるのか、提案したいと思います。
市民参加でまちづくりと言っても簡単ではありません。一部、知見のある市民が検討に加わって、案をつくっても、他の住民が満足できるとは限らないからです。
A案 ロータリーをつくり駅前は車両進入禁止
安全性◎、利便性〇、緑地×、コスト△ コスト(具体的に概算を示すのが良いが不明なために、最もかかるという意味で△とした) ・駅前は車両進入禁止となるため最も安全性高い。 ・送迎車はロータリ西側で待機 ・タクシー、障害のある方の乗降はロータリ東側 ・ロータリー内の緑は、桜1本を残す、または新規植樹。 |
B案 ロータリーをつくり一方通行規制維持(市の現状案)
安全性〇、利便性〇、緑地×、コスト△ コスト(具体的に概算を示すのが良いが不明なために、最もかかるという意味で△とした) ・駅前は一時停止はなくなるため安全性高くなるが、狭い駅前に車両が侵入するのでA案よりは落ちる。 ・送迎車はロータリ西側で待機 ・タクシー、障害のある方の乗降はロータリ東側 ・ロータリー内の緑は、桜1本を残す、または新規植樹。 |
C案 ロータリーを設けない
安全性〇、利便性△、緑地◎、コスト◎ コスト(具体的に概算を示すのが良いが不明なために、ロータリがないぶん、抑えられると予測) ・駅前は一時停止はなくなるため安全性高くなるが、狭い駅前に車両が侵入するのでA案よりは落ちる。 ・お迎え車は線路沿いの拡幅したスペースの車両で待機できるが台数は少なくなる?市の案は改良すれば、もう少し車両スペースを確保できる。 ・緑はすべて残せる |
具体的な案に論点に◎〇△×等で、重み付けをして概算費用まで入れて3案にまで絞りこんだ上で、住民に説明して意見を聞く、それこそシール投票をしたら、いかがでしょうか?
大事なのは、論点ごとに重みが違う具体的な本質的に違いのある選択を、市民が出来ることです。
オープンハウスに参加した際に、市の職員にA案のように北側たかの街道からの一方通行規制解除して、双方向にしないのはなぜか?と質問したところ、ややしどろもどろに、一部の住民で今の一方通行規制を変えないでほしいという意見があると言っていたが、何か逃げるような説明でした。
特別な理由があるようにも感じました。しかし、そのようなことでは困ります。不可なら不可である理由をきちんと説明する責任を果たしてもらいたいです。
論点である安全性、利便性、緑の確保、どの案も現状よりは良くなります。あとはコストを加味して、何を住民が重視しているのかを市民参加ですすめるという方法はいかがですか?
小林洋子市長いかがでしょうか?
今の小平市議会には何も期待できない
本来は、何もかも決定する前に市民の声がまちづくりに反映させるように行政に働きかけるのが、市議会の役割だと考えますが、残念ながら今の小平市議会はそのような機能をはたしていません。
ここまで検討したのに今から市民参加といったら整備がおくれる、市の進め方を容認する声が多いのが市議会の現状です。
与党という立場を維持しようとするあまりに、最初に市の方針を容認することを前提にして答弁を考えることが当たり前になっています。フォーラム小平、生活者ネットワーク、共産党、3与党は、2019年の市議選以降はとくにひどくなりました。市議会のチェック機能を放棄しています。
28人の市議(現在は27人)に高い税金を払って機能しないのであれば、別の仕組みに変えていくべき時期かと思います。
市議が、議会で質問をするだけではなく、選挙前に宣言したことを実行していただくために行政の各部の部長の補佐役のような立場になって、職員と一緒に実行部隊になってもらうような機能を担ってもらうのはどうでしょうか?
4年後の選挙前には、市議は何を実現したのか、発表してもらう、実現できなかったなら、どういう理由で実現できなかったのか、方針を変更したならどういう理由で方針を変更したのかを説明してもらって、また次に市議選に挑戦するなら新たな実現目標を掲げてもらうという仕組みです。
小平市よりは議会が機能している近隣市もあるので、働かない市議を容認している小平市民が悪いといえばその通りです。
まとめ
- 鷹の台の駅前広場が整備されようとしていますが、相変わらず何もかもを市が決めてから市民に説明するまちづくりが続いています。
- 選挙前に公開討論会でゼロベースの市民参加を語っていた小林洋子市長の取り組みが注目されます。
- 論点を整理して、住民がわかるような重み付けをした本質的に違う案を3つほど提示して、それに対して住民が意見をするという市民参加を提案します。
- 小平市議会は、行政のチェック機能をはたしていません。
以上