ランニング

フルマラソン、サブスリーから2時間55分切りまで

投稿日:2020年2月3日 更新日:

2020年1月26日の茨木県ひたちなか市の勝田全国マラソン大会で、2:54’37と、サブスリー後の目標としていた2:55切りを2年と2ヶ月で達成しました。サブスリーは、平均4’15/kmで走れば達成できますが、2:55切りは、4’08/kmで走る必要があります。この差は、かなり大きいと感じていて達成感は大きかったです。

これまで練習を積み上げてきて成果と、フルマラソン10年間で16レースで得た経験を存分に活かして成果でした。私が3時間10分を切ったのは2009年のつくばマラソンでした。2010年の大田原マラソンでは、3時間5秒とサブスリー目前まで迫ったものの、その後7年間は2011年1月の右腸腰筋の怪我や、やる気を失っていた時期があり、2017年11月にようやく大田原マラソンでサブスリーを達成します。

今回は、以下の流れでサブスリーから2時間55分切までのトレーニング内容やノウハウを整理したいと思います。

スピード練習の意義と練習会について

42.195㎞と長い距離を走る競技で、スピード練習がなぜ必要なのか、それは実業団に所属するプロや五輪選手を見ればわかります。彼らエリートランナーで、スピード練習をしていない選手はいません。今はTwitterやInstagram、ブログなどSNSで多くの選手が練習内容の一部を公開しています。フルマラソンに取り組む実業団選手、駅伝に出る大学生などのTwitterを見てみると皆がハードなスピード練習をしています。記録を出すためにはスピード練習が必要であることがわかります。

もう少し別の視点で見ると、42.195kmを使うエネルギー源は、主に遅筋の TCA回路による 乳酸利用による持久力の強化が重要ですが、主に速筋による解糖系のスピードそのもの、スプリント力(乳酸を出す)も寄与します。 NHKのEテレ、奇跡のレッスン「苦しみを楽しむ覚悟で走れ! 陸上 長距離(後編)」で、マラソンコーチのレナート・カノーバさんは、フルマラソンにおける速筋の寄与(スプリント能力の寄与)は3-4%とかたっていました。 私はもっと大きいと考えています。詳しくは長距離競技におけるエネルギー源と血中乳酸濃度の意味を考えるのブログでまとめましたので参考にしてください。フルマラソンは持久力が重要で、長い距離を走る練習をベースにすべきであるのですが、持久力の強化だけでは、持っているスピード以上のスピードでフルマラソンの距離を走ることは出来ません。距離を走るだけの練習では、どこかで頭打ちになります。

頭打ちになってからは、スピードそのものもあげて、持久力で走る際のスピードもひきあげる必要があるのです。 サブスリーの4’15/km から、175分切りの4’08/kmに向けて、スピード練習も3’50/kmから3’40/kmにペースを引き上げる必要があるというとわかりやすいでしょうか。

学生時代に陸上競技で中長距離の練習をしたことのあるランナーを除くと、スピード練習の経験がない人が多いと思います。一人でインターバルなど、スピード練習ができるかというと、疾走やレストの設定タイム、本数などがよくわからず設定が難しいでしょう。詳しくはインターバルトレーニングの意義から効果的な設定メニューを考えるのブログにまとめていますので、ご覧ください。

一人で試行錯誤していくこともできます。それが楽しいと考えるランナーも多いようです。しかし同じ志を持った仲間と練習すると効率よく学ぶことができます。自分の練習拠点の近くにある走友会や会社のランニングクラブ、各種練習会に参加することで練習のやり方を学ぶと良いでしょう。スピード練習をする際には自分の走力にあった設定で練習を行う事も重要ですが、追い込むことも重要です。追い込むためには、ライバルと一緒のメニューをこなす事が一番良いです。一人では出来ない設定タイムで走ることが出来ます。

私は毎週土曜日の17:00(11月から2月までは16:00)に開始する秋留台公園合同練習会に参加しています。3’20/kmくらいから10秒刻みで3’30/km,3’40/km,3’50/km….4’30/kmくらいまでの設定でチーム分けして、世話人が予め用意するスピード練習メニューやレペ、T.T.などの練習に取り組みます。毎回20人以上、多いときは50人を超えるときもありライバルが常にいるためスピード練習に集中して取り組めるのが良いです。どなたでも無料で参加できる練習会なので、リンクをみていただき興味を持った方は是非ご参加ください。秋留台公園合同練習会なしでは、今回の175分切りはあり得なかったと思います。

スピード練習は怪我をしやすいので、過度なペース設定はやめて怪我に十分に注意しましょう。スピード練習の頻度としては、週1回から始めるべきです。多くても週2回程度で、中3日あけて行うと怪我がしにくくなります。

また自分の取り組みとして、小平市や東村山市のランナー仲間に対して各メンバーの走力に応じたスピード練習会を企画して、これまで学んだことを伝えるようにしています。メンバーの走力に応じて、近い走力の仲間を集めてスピード練習をするようにしています。スピード練習をするレベルまでのランナー仲間を増やして 自分と同じような達成感を味わってもらい、さらには自分を超えるランナーが育っていくことを願って活動しています。興味のある方は、是非ご連絡ください。

加齢と怪我との付き合い方について

ランナーには怪我はつきものです。震災の直前、2011年の1月に右の腸腰筋を痛めて1年間リハビリ生活をしました。ランニングは半年以上は完全に止めていました。すっかり走力は落ちてしまい、その後4年間の停滞期を迎えます。しかしその4年間もランニングは継続して、1年に1回程度はフルマラソンの大会に出場はしていたものの意欲的な練習に取り組む気持ちになれなず、結果は停滞します。怪我した時は凄く残念な気持ちだったのですが今思えばとても良い経験をしたと思っています。

その頃サブスリーまであと5秒と迫り、当選していた2011年の東京マラソンに向けて過度に練習していました。腸腰筋は痛くても練習すると走れてしまうのでついつい練習を繰り返していました。スピード練習を2日続けて行って帰宅してシャワーを浴びて横になって休んで起き上がろうとしたら右足が床に足をつけられないほどの痛みでした。

ランナーの先輩に紹介されたリハビリまで付き合ってくれる接骨院に毎週通って、リハビリメニューを教えてもらいコツコツやり続けて、半年後にようやくジョグ開始、30分ジョグして休んでのようなスタートでした。この時のリハビリメニューは今も練習にとりいれています。少しスピードを上げると着地が響くので低速ランが長く続きました。また併せて水泳も練習に取り入れました。着地衝撃がないため腸腰筋は痛くはなりません。お陰で下手くそなりにクロールで長い距離を泳ぐことが出来るようになりました。ストレッチの効果を知り、水泳を覚えたのは財産です。

この経験から得た最大の教訓は怪我は克服するとのではなく仲良くするものと考えるようになったことです。怪我やその予兆は自分の身体の状態を教えてくれるシグナルになるということです。怪我はお友達です。どうしたら仲良く付き合えるか、そのように考えることでランニング前の準備体操としての動的ストレッチ、練習後の静的なストレッチをやるようになりました。正確に言うとどんなペースが遅く、短いジョグのときも準備体操としての約10分の動的ストレッチは行います。練習後の静的なストレッチは、スピード練習や、30㎞ペース走など強度の高いポイント練習後にだけ行っています。

辛い怪我で走れない一年間とその後の4年間の停滞期のお陰で自分の身体に対して謙虚に接するから、厳しい練習にも自分の身体に付き合ってもらえるという考え方になりました。2011年までの自分はなんて傲慢だったのか、そう思えるようになり本当に良かったと思っています。

もう一つ副産物として年をとったこともプラスと考えられるようになりました。加齢で体力は少しずつ衰えて走力も落ちますが、実は眠っているポテンシャルの方がずっと大きいため、うまく引き出す練習が出来れば、40代後半でもほとんどのランナーは自己ベストを出すことが出来ます。私の場合48歳と11ヶ月でサブスリー達成しましたが、その後50代に入ると規模の小さい大会だと入賞することが出来るようになり、大きなモティベーションアップに繋がっています。40代後半で再始動したため、年代別入賞できるようになったことが副産物です。

今シーズンの怪我としては、2019年は6月頭に右のアキレス腱、9月に左足首、12月末には左の腸腰筋を痛めました。アキレス腱は、2か月くらいで治りました。その間、スピード練習はしない時期などもとりながら完全にランニングをやめることはなく続けて、リハビリ運動メニューなどをして回復しました。9月に痛めた左足首は、走れないほどではないので、フォアフットにすると痛かったので、ミッドフッドに切り替えたりしながら、だましだまし練習を継続しながら少しずつ回復していきました。12月末の腸腰筋は、全治1週間のところ、無理して走って3週間ほどかかりましたが、腸腰筋ストレッチを朝晩行ってて完治に至り勝田全国マラソンでは影響なく走れました。

怪我との付き合い方は、ラン歴が長いほど対処方法や予防も身についていきます。自分の身体に対して謙虚に接して、怪我を克服するのではなく、お友達として付き合うという考え方で末永くランニングを楽しむことができると多くの人にお伝えしたいです。

本命レースの設定について

皆さんは年に何回フルマラソンを走りますか?私は2回もしくは3回走ります。サブスリー達成後からの2シーズンは11月から1月に開催されるレースのみに出場するようにしています。

その理由は、暑さが苦手で12℃以下の環境でゴールまで走れる大会を関東近郊で選ぶとおのずと11月から2月に限定されます。詳しくは、フルマラソン結果が出やすい年間レース計画で詳しく書きましたのでご覧ください。

なお気温ですべてが決まるかというと、人それぞれによって、体調が良くなる時期があるように思えます。私は、12月から1月がピークになると考えています。2月はさほど暑くなくても走れなくなるのが毎年のことです。気を抜いたわけでもなく、3月にレースをエントリーしていてもやはり2月には走力が落ちる感触があります。3月になると、花粉も始まってくるのかますます調子がわるくなっていきます。3月は逆ピークです。ピークに本命レースを入れて、逆ピークには本命レースを入れないようにするのが良いでしょう。調子が良いか悪いかを見るためには同じスピード練習がどれだけこなせるかでわかります。私は、1㎞3’40か3’50のインターバルが7-8本というメニューで測るようにしています。とくにつなぎのジョグの長さで調子を見ています。つなぎが長くなれば、調子も落ちているということです。

さらにフルマラソンで結果を出すためには体調管理が重要です。とくに体重を増やさないように管理する必要がありますが、この期間をなるべく短くしたいので1月にはフルマラソンを終わらせて我慢する期間を短くしています。

年2回にするとそのレースに向けて集中することが出来ます。練習にも身が入り失敗しないレースプランを考えるようになるため結果も出やすくなります。仮に1回にすると当日に暴風雨だったりすると1年の練習が無駄になってしまったかのような残念な結果になることもあるため、2レースにエントリーするのがベストかもしれません。2回とも天候不良になった場合は残念ということで諦めるしかありません。また2回ですと、毎年飽きずに長く楽しむことが出来ると言えるかもしれません。

ピークの作り方について

ランニングにおけるピークは、自分のコンディションが良くなる月に持ってくるべきですが、それは、いつ本命レースを走るのかということであり、その本命レースに自分の走力のピークを持ってくる必要があります。年2回、11月と1月に本命レースを走る場合の私の調整方法を、説明したいと思います。

私の月間走行距離は平均すると260㎞くらいです。2019年は9月、10月、12月の3か月だけは300㎞を超えました。本命レースの前に練習量を少し増やしています。

秋のシーズン初戦のレースは、11月後半だとすると、レース2週間前の第1週または、第2週までにはハードなトレーニングは終わらせる必要があります。

6月くらいから9月までの暑い夏は、どう過ごすかというと、週1回はスピード練習を行い、30㎞超の距離走も月2,3回は行いますが、スピード練習は設定を下げてかつ本数も減らして行うようにします。距離走は、ペースは意識せずに、なるべく日陰の多いトレランコースなどで設定した距離を走り切れるペースで行います。夏の暑い時期は我慢の時期というかスピードを強化できる時期ではなく、筋力と心肺機能を維持して持久力をおとさないようなトレーニングをする時期と考えています。

9月に入ると少しずつ、本番を意識していきますが、まだまだ暑いのでどうしても本命レースの想定ペースで走ることは出来ません。但し本番を意識した長い距離のペース走は取り入れていかないと間に合わなくなります。 ペース走は、レースにおいて最も重要な練習の一つになります。 ペース走は30㎞以上で35㎞以下でその時のコンディション、天候で一定のペースで走りきれる設定にする必要があります。暑い時期には想定している本命のレースペースから、30秒ほど遅めの設定から始めると失敗することなく出来ます。

10月に入ると、いよいよレースまで8週間となります。また気温も少し下がってきますので、ペース走も本番に近いペースになりますが、まだ暑いです。設定は、本命レースから20秒ほど遅いペースでの設定で30㎞以上35㎞以下で良いです。もし計画していた練習日が予想外に暑かった場合は、30秒遅いペースなどに下げると良いでしょう。ペース走は失敗すると自信を失います。また疲労が残りますので、その分、他のポイント練習にまで影響を与えます。ですので確実にやりきれる設定で成功させるべきです。それでも失敗することはあります。その場合は早めに打ち切り別の日に行っています。

11月初旬の3週間前までにレースペースに近い設定で、最後のペース走を入れます。2019年度は、4’20/kmの設定で30㎞ペース走を入れました。私の場合は失敗しないように本番想定ペースの4’10-4’15/㎞でのペース走よりやや遅めに設定するようにしています。 余裕があったのでラスト5㎞だけレースペースに上げるなど工夫をしました。

その他の練習としては週に1回または2回のスピード練習を行い、気温が下がるのに合わせて、徐々に最大負荷で行うように設定を上げていきます。

そして フルマラソンの2週間前にハーフマラソンの大会を入れて自己ベストを狙って全力で走るようにします。その結果と、持久係数をかけてフルマラソンの設定タイムを決めます。コースの高低差などを考慮して全体のレースプランを練ります。詳しくは、ハーフ/フルマラソン持久係数とペース配分についてをご覧ください。その結果、11月23日に大田原マラソンは、目標通り2:57を切って走り切ることができました。

11月のシーズン最初のフルマラソンまでの調整は、30㎞ペース走を徐々に設定をあげて3回ほど行うのがポイントと考えています。

次に1月の本命レースまでの調整方法を説明します。私の場合は 12月、1月は、コンディションは11月よりさらに良くなります。期間は2か月、直前2週間は調整期間にしたいことから1.5か月が残されています。

この2か月は、ペース走やスピード練習をどのように組み込むかという事になりますがフルマラソンのレース間隔が2か月以内の場合は、私はスピード練習を重視して、30㎞ペース走はやらないようにしています。というのは前回のフルマラソンでペース感覚をつかんでいるため優先度は低いからです。もし、1回目のレースが棄権したりオーバーペースでつぶれてしまった場合は間に1回30㎞ペース走を入れても良いかもしれません。またペース感覚が心配なら、5㎞~10㎞程度の短いレースペース走を行うと良いでしょう。私は8㎞で2回行うようにしています。

スピード強化のために行ったメニューは3’20~3’25/km(80秒から82秒)の400mインターバルと、持久力(心肺機能)強化のための3’40~3’50程度のインターバルやT.Tを12月の4週間で週2回計8回おこなっています。

以下に9月から1月までのポイント練習を整理しました。期間が限られている場合は、スピード練習を詰め込む方が、走力アップに直結するというのが実感です。なお1㎞以上のインターバルと400mのインターバルにはそれぞれ心肺機能強化、スピード強化という別々の狙いがあります。詳しくは、インターバルトレーニングの意義から効果的なメニューを考えるにまとめていますのでご覧になってください。

2019年9月から1月までのポイント練習とレース結果

日付

分類 設定 結果
9/7 Short Interval/練習会 400m@3’30x15本

× 10本で

9/14 Repe/練習会 1㎞@3’30(r=6’30)x6本 〇 6本クリア
9/16 ペース走/単独走 20.9km@4’30/km 〇 4’28/km
9/21 Interval/練習会 3-2-1㎞@3’40+400Repe × ペースダウン
9/23 ペース走/単独走 31.1km@4’40 × 暑さで失速20㎞で打ち切り
9/29 ペース走/単独走 31.1km@4’40 〇 4’39
10/2 スピード/単独走 1㎞@4’00(R200m1’00)x10本 〇△R1’10と長い
10/11 スピード/単独走 2㎞@4’00(R400m2’00)x4本 〇△R2’20と長い
10/14 ペース走/単独走 31.1km@4’30 〇 4’25/km
10/20 甲州フルーツマラソン20.5㎞ 設定1:27

△1:29’30 年代別4位入賞

10/26

10kT.T/練習会

目標38’15 ×39’45 6㎞で失速
11/3 ペース走/単独走  31.1km@4’20 〇2’13’50 4’17/km 
11/10 成田ポップラン(ハーフ) 目標1:23カット

〇△1:23’41 年代別3位

11/13 ペース走/単独走 8km@4’10/km 〇  4’09/km
11/16 Interval/練習会 3-2-1km@3’50/km+400mレペ
11/20 ペース走/単独走 8km@4’10/km 〇  4’09/km
11/23  大田原マラソン(フルマラソン) 目標2’57台 〇2’56’39
11/30 Interval/練習会 1km@3’40 (R200,1’30)x 7本
12/4 Short Interval/単独走 400m@3’30(R200,1’30)x10本  〇    400m84
12/7 Interval/単独走 3-2-3-1km@3’50(R400,2’30)+400mT.T. 〇 400m81
12/11 Short Interval/単独走 400m@3’25(R200,1’30)x10本  〇    400m82
12/14 Interval/練習会 1.84km@3’40(R200,1’30)x4本+400   〇 400m80
12/18 Short Interval/単独走 400m@3’20(R200,1’30)x10本  〇    400m80
12/21 10kmT.T/練習会 設定38’15 〇 38’05
12/25 Short Interval/単独走 400m@3’20(R200,1’30)x10本  △    400m82
12/28 Interval/練習会 1km@3’40(R200,1’20)x8本+400 

〇 400m85

左腸腰筋負傷、以後調整期間に  

1/11  Interval/単独走 1km@4’00 (R200,1’00)x 5本
1/12 ペース走/単独走 22.9㎞@4’10  〇1:34’20 4’06/km
1/16 ペース走/単独走 8㎞@4’08  〇4’06/km
1/22 ペース走/単独走 8㎞@4’08 〇4’06/km
1/26 勝田全国マラソン
(フルマラソン)
2:55切り 〇2:54’37

※距離走はポイント練習に含めていません。30㎞超えのペースは気にしない距離走は、上記の表の30㎞ペース走以外には、10月1回、11月1回、12月2回、1月1回実施しています。

12月末に怪我したため、1月以後は無理せずにポイント練習は2週間やめて、補強やジョグとストレッチだけにして、1/12にペース走は22㎞を1回、 2週間前以降の調整期にペース感覚を確認するための8㎞のペース走を2回のみ行い十分に疲れをとり、自分のピークで勝田全国マラソンを迎えて2時間55分切りを目標としてレースにのぞみ、無事に2:54’37でPB更新をしました。

ランニングフォームについて

ランニングフォームについては、コーチしてくれる有料の練習会がありますが、私は一度も参加したことがありませんし、先輩ランナーから指導を受けた経験も一度もありません。その意味では伸びしろはランニングフォームにあるかもしれません。

自分として確固たるランニングフォームには理論を持っていませんが、今の自分がどう思っているかという観点で整理しておきたいと思います。まずフォームで気を付けることは、以下の4点です。

  • 少しだけ前傾姿勢で身体の真下で着地(ストライドを欲張りすぎない)
  • (スピード練習以外は)力が入らないように腕の位置を低めに
  • 力まない。両足離れて中空に浮いているときに脱力、リラックス
  • (フォアフットでも)足底全体で着地して地面から力をもらう

ランニングフォームで、私が参考にしているのは漫画家のみやすのんき先生の「走れ!マンガ家ひいこらサブスリ―」、「大転子ランニングで53歳でもサブスリー」、「フォームの基本」の3部作です。著作に書いていることは、着地したら、シンプルに足を上にあげれば良い(けり上げない)、腕振りは免振装置であるため過度に振る必要はないとか、ある意味当たり前のことが書かれています。ふと自分の前を楽に抜かしていったランナーを見ると、フォームは実に普通だったりしませんか?普通に走れば良いというのが結論です。

理想のフォームってそんなに重要でしょうか? 例えば着地について、フォアフットで走るようにしていますが、今期の9月から12月くらいまで左足首が軽く痛かったので足首を使わないミッドフットの方が痛みが軽減されるので、ミッドフットに変えていました。また、フルマラソンのレース序盤はフォアフット、終盤はミッドフットかヒールストライクに変わっています。これは、大会でAllSportsが撮影した自分の写真の着地を見ると良くわかります。

後半フォームが変わり遅くなるかというと、ラップは35-40㎞もほとんど落ちていません。大田原マラソンでは、35-40㎞の5㎞が最速ラップ、勝田全国マラソンでは、35-40㎞の5㎞が2番目のラップとむしろ加速しています。しかし上半身が疲れてやや前傾姿勢が維持できなくなっており、足首、ふくらはぎ、足底、前脛骨筋が疲れてミッドフットやヒールストライクに変わっていくのだと考えています。仮に最後まで前傾姿勢とフォアフットで走れればもっと良いタイムが出せる可能性はありますが、最近はそうは考えないようにしています。42.195㎞の中で序盤と終盤では筋肉の疲労が異なるのでその時々で出来る最善のフォームで走れば良いと考えるようにしています。但し、自分でもこの考え方があっているかわからない試行錯誤の状態での意見です。

ストライドとピッチ(回転数)の関係を考えてみます。トラック練習とロードの練習では3’40-3’50/kmのトラック練習では190spm以上、ロードではペースにもよりますが、5’00/km から4’30/kmくらいですと、おおよそ185spmです。トラック練習は3’40/kmなど限界までペースをあげるため、ストライドだけでなく、ピッチも上げて最大限スピードを出した走りをしていることになります。ピッチは一定でストライドでスピードを調整するという人もいますが、私の場合は、ピッチもストライドもスピードを上げると増えています。

フルマラソンのレースでは、練習よりストライドを小さくして、ピッチを増やすようにしています。2018年のシーズン中にふと、その考えが浮かんで試行錯誤しました。2019年の1月の館山若潮マラソンのときのストライドを少し小さめにして、ピッチを増やすようにして結果につながりました。最近のフルマラソンの5レースでのピッチと記録をまとめました。

  • 2018年11月 ぐんまマラソン  平均183spm  3:00’19
  • 2018年12月 さのマラソン   平均185spm  2:57’47
  • 2019年1月   館山若潮マラソン 平均188spm  2:56’19 
  • 2019年11月  大田原マラソン  平均189spm  2:56’39
  • 2020年1月  勝田全国マラソン 平均189spm  2:54’37

今年度の2レース大田原マラソンと勝田全国マラソンは189spmになっていますが、後半スバート出来る余裕がありランニングエコノミーがもっとも良いと感じました。きっと189spmくらいが今の自分の走力にあったビッチなのだと思います。自分は身長183㎝、67kgと大柄で細い体型なので、ストライドも大きいので、今まで長身を活かした走りとはストライドを大きく取ることと考えていましたが見直す機会になりました。ランナーによってストライドとピッチの関係を見直すことで、楽に走れるポイントが見つかるかもしれません。

まとめ

  • 長距離競技で記録を伸ばすためにはスピード練習が効率的です。練習会に参加したり、同じレベルの仲間と刺激を受けながら取り組むと厳しい設定もクリアでききるなど効果があがります。
  • 加齢とともに怪我のリスクは増えます。怪我を克服するという考えではなく、仲良く付き合う友達としてとらえ自分の身体に対して謙虚に向き合うことで、怪我を少なくすることが出来ます。
  • 本命レースの設定は、自分の走りやすい気温になる時期に設定することが大事です。さらに1年のうち最も自分のコンディションがピークになる時期に本命レースを設定して、コンディションが悪くなる時期(逆ピーク)には本命のレースは入れないようにすべきです。過去のレース結果を見ると自分のピークや逆ピークがわかります。
  • 本命レースに向けた調整は、秋の1回目のフルマラソンでは、30㎞超のペース走を気温と自分の状態に応じて、徐々に設定ペースをあげるようにして3回入れると自信がつきます。必ずしもレースペースで行う必要はなく、少し遅めの設定でも効果はありますし自信になります。1回目のレースと、2回目のレースの間隔が2か月以内と短い場合は、負担の大きい30㎞超ペース走は行わずにスピード練習を詰め込むことで効率よく走力アップしてピークをレース本番にもっていけます。
  • フォームについては、試行錯誤中ではありますが、理想のフォームで最後まで維持して走り切ることは難しいので、レースの序盤と終盤ではフォームは変るものだと気楽に考えています。
  • 私の場合はストライドを小さくして回転数を上げたらフルマラソンのランニングエコノミーが大幅に改善されました。フルマラソンの後半でペースアップするレースプランが実現出来るようになりました。

以上(2020年2月3日)

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    小平市在住の50代男性のkamihooです。40歳から本格的にフルマラソンの大会に参加し始めて、2017年11月に48歳で大田原マラソンでサブスリーを達成しました。自己ベストは2020年1月の勝田全国マラソンの2時間54分37秒です。「ジョグのねっとわーく」でランニング日記をkamihooのアカウントで公開しています。https://jogno.net/

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